『ジェームズ・メイの日本探訪』(2020)    エピソード5の広島でのインタヴュウがカットされている

結論から言うと予想通り面白いです。

ただ、英BBCの大人気番組『トップ・ギア』の名物ホストであるジェームズ・メイというのがウリですので、万人ウケする紀行番組や真面目なドキュメンタリーと勘違いしない方が良いと思います。

撮影はちょうど1年前の2019年春ごろ、英米では今年2020年の1月初旬にリリースされたようですが、日本では字幕を付ける都合か2か月遅れになりました。
あるいは、アマゾン・オリジナル作品に対して「不快感しかない」「受けるなら何でもありと云う製作者の良識を疑うレベル」「あまりの馬鹿々々しさに観る気が失せた」と低評価レヴュウを付けまくる人がいるので、そういう視聴者へ対する配慮に余計な時間がかかったのかもしれません。まあ、そういうレヴュウは、ろくに視聴しないでケチつけてるか、ウェブTVと地上波の区別がつかないような人なので相手にしないで、アマゾンならではの番組を提供し続けてほしいですね。本作品はBBCが却下した企画をアマゾンでやったそうです。

さて、エピソード5の広島パートですが、ジェームズも「デリケートな問題だし、他の番組もあるよ」と前置きしますし、広島ではオフザケは一切ありません。

日本版では、神戸大学大学院法学研究科教授でアメリカ出身の簑原俊洋氏へのインタヴュウ(2分程度)が全てカットされています。簑原氏は本音と言いながらも「広島と長崎の犠牲が無ければ、韓国と北日本はソ連に占領されていた」というアメリカの建前を言います。個人的には、この意見には全く賛同しかねますが、英米版で存在する以上、日本でもカットしないでほしかったですね。冒頭の「出演者個人の考えに基づくものです」で充分でしょう。もしかしたら簑原氏側の意向があったのかもしれませんが。ちなみに、冒頭の但し書きも、日本版にしかないようです。まあ、フィクションのドラマ『グッド・オーメンズ』にもケチをつける人が大勢いましたから、最終的に、慎重な判断をしたのかもしれません。

いずれにせよ、広島パートは私の番組の評価に影響しませんし、ジェームズ・メイの好感度はアップしました。むしろ、問題なのは、海外作品をプライム・ヴィデオで実際に視聴してレヴュウを投稿しても、「Amazon.co.jp で購入済み」ラベルが付与されないことですね。海外からもAmazon.co.jpにレヴュウは投稿できますし、国内でも視聴せずにデタラメなレヴュウを投稿する人がいますが、そういう信頼性の低いレヴュウとの区別ができません。


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