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『ミス・エバーズ・ボーイズ~黒人看護婦の苦悩』(1997)   悪名高きタスキーギー実験を基に、ヒューマンドラマに仕立てたHBOの佳作

タスキーギー実験という実際にあった事件を、1人の看護婦を中心に描かれている。タスキーギー実験とは、アメリカ政府は梅毒にはペニシリンが効くと知りながら、被験者(貧しく読み書きもまともにできない黒人男性達)の治療を行わず、そのまま観察してていた人体実験である。
主演は『僕はラジオ』で校長を演じていたアルフレ・ウッダード。共演ローレンス・フィッシュバーン。フィッシュバーンは本当はこういう役をやりたいんだろうと思う。演出は数多くのTV映画の演出を手掛けている職人監督ジョセフ・サージェント。
過去にNHK教育でひっそり放送された際の吹き替えヴァージョン。主人公の吹き替えの倉野章子は角野卓造の妻。字幕版が無く仕方なく、この吹き替え版で視聴したが、この頃の吹き替えは味があってなかなか良い。

(なお、評価はあくまでドラマとしての出来に対するもので、実際の実験はおぞましい非人道的なものであり、かなり美化されて描かれている。アメリカ政府は自国民や他国民を対象に非人道的な人体実験を繰り返してきた歴史があるが、この実験も病気がどのような経過で人を死に至らしめるかという興味と、死後の解剖よって得られるデータの為続けられたと言われている。)

2018年5月15日に日本でレビュー済み
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