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【データ分析】2023年を振り返る ー大瀬良大地投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は大瀬良大地投手です。


選手詳細

大瀬良 大地(おおせら だいち) 投手 32歳 187cm92kg 右投右打 2013ドラフト1位

基本成績

寸評

5年連続となる開幕投手を務めたカープのエース。キャリア初の負け越しを喫した昨季を経て、今季は巻き返しを期すシーズンとなったが、援護に恵まれなかったこともあり、6勝11敗と大幅に負け越してしまった。しかし、CSファイナルでは阪神打線を7回3安打1失点に封じ込め、エースの意地を見せてくれた。来季は是が非でも勝ち星を先行させたいところだ。

分析

Pitch Type

 ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されています。投球割合に大きな変化はなく、ストレートとカットボールを軸にした変化球中心の配球となっていたようです。
 ストレートの平均球速は146.2km/hと1.6km/h速くなっており、変化球もチェンジアップ以外は全て速くなっています。全体的に昨季よりも出力は上がっていたようです。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-はマイナスとなっており、投球テンポは速かったことが分かります。Timer Equiv.も8.5となっており、ピッチクロックが導入されても問題はありません。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面ではTempo+/-はマイナスとなっており、投球テンポは遅くなっていたことが分かります。Timer Equiv.は21.1とピッチクロック違反となる数字となっており、ランナーがいる場面での投球テンポは見直す必要がありそうです。

Pitch Value

 スライダーとカットボールがプラスとなっています。最大の武器であるカットボールはやはりプラスですが、その他の球種はほとんどがマイナスとなってしまっていました。ただ、カーブ以外は0点台に抑えられており、どの球種もそこまで大きなマイナスとはなっていません。

Plate Discipline

 コンタクト率・空振り率・Whiff%はいずれも昨季と大きく変わってはおらず、平均よりも優れた数字となっています。変化が目立つのは3.5%低下したスイング率くらいで、昨季と比べるとあまりスイングはさせていなかったようです。ゾーン率とファーストストライク率も平均と大差ない数字となっており、制球にもそこまで苦しんではいなかったことが分かります。

Batted Ball

 昨季に続いてフライボールピッチャーとなっています。フライ率が低下した分ライナー率が上昇しており、捉えられた打球が多かったことが推測されます。

 Soft%・Hard%ともに悪化しており、Hard%は平均よりも高くなってしまっています。Hard%はキャリアワーストの数字となっており、年齢による衰えや肘の状態が悪かったことが球威に影響していることが推測されます。

Advanced

 ほぼ全てのスタッツが良化となりました。唯一悪化したBB%も平均より優れた数字となっており、K%も平均の19.3に迫る数字となっています。被打率・WHIPも平均以下で、FIPとtRAも3点台に抑えられています。負け星が大きく先行したものの、大瀬良自身のピッチングは決して悪いものではなかったことが分かります。LOB%やDERを見ても上振れてはおらず、来季もある程度の数字は期待できそうです。

Win Probability/Value

 WPA・RE24・REWは未だにマイナスとなっているものの、昨季よりは良化していました。ただ、Clutchがマイナスに転じており、やや勝負弱さが目立っていたのも事実です。イニングが若干減少したことで、WARも0.1低下となっていました。

まとめ

 6勝11敗という数字が先行し、評価が低くなっていた印象が強い大瀬良ですが、K-BB%などを見ても決して内容は悪くなく、ローテ投手としての役割を充分に果たしていました。このデータ分析では重視していないため紹介していないスタッツにRS/9(援護率)があるのですが、大瀬良はこれが2.08となっており、ドラゴンズの柳を下回って2014年以降のNPBで最低の数字となっていました。1試合で援護が2点しかもらえないということは、HQSを達成しても勝ち星がつかないということになるので、負け星が先行したのは打線に大きな責任があると言えるでしょう。

画像引用

データ参照


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