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チームスタッツで振り返る2023一軍カープ投手陣

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

我らがカープは多くの解説者の下位予想を覆し、優勝候補のベイスターズをかわして2位でシーズンを終えました。
そこで、CSが始まる前にDELTA社が公開している各種チームスタッツを確認し、今季のカープ一軍全体の傾向や弱点を探っていきたいと思います。
本noteは投手編となります。


Pitch Type

まずは、球種構成に関するスタッツです。

ストレートとスライダーの割合が多いのは他球団と同じですが、特徴的なのは4.3%を占めているシンカーと特殊球の存在です。
シンカーは基本的に割合が少なく、最も少ないジャイアンツは0.4%となっています。そんな中でカープが4.3%と割合が大きくなっている最大の要因は床田です。床田は投球割合の32.5%がシンカーとなっており、36.8%のストレートとあまり変わらない数字となっています。床田の他にシンカーを投じているのは森下(6.9%)のみとなっており、2人で全投球の4.3%を賄っていることになります。
また、ファームではナックルボーラーの坂田によって0.6%となっていた特殊球ですが、一軍で特殊球を投じているのは床田です。この特殊球はナックルではなくパームであり、セリーグでは唯一の球種となっています。

Pitch Value

続いては失点増減に関するスタッツです。

最もプラスが大きくなっているのはシンカーとなっており、床田と森下が有効に使って数字を伸ばしていることが分かります。
一方で、パームは最もマイナスが大きくなっており、今季はあまり有効に使えていなかったことが推測されます。

Pitch Tempo

続いては、今季途中から追加された投球テンポに関するスタッツです。
MLBでは今季からピッチクロックが導入されており、WBCの次回大会でも導入されることが予想されます。そのため、NPBにも間違いなくピッチクロックは導入されるでしょう。来季以降重要なスタッツとなってきます。

ランナーなし時

MLB基準に合わせて補正した値がTimer Equiv.になるため、ピッチクロックが導入された場合、この値を15.0未満に抑える必要があります。二軍投手陣と同じく、ピッチクロックが導入されても問題はなさそうです。
この中で最も目を引くのはFast%の高さです。1位はジャイアンツの58%ですが、3位がベイスターズの45.1%となっており、ジャイアンツとカープはテンポの良い投球が非常に多いことが分かります。

ランナーあり時

ランナーがいると当然投球間隔は長くなりますが、それでもTempo、Tempo+/-、Equiv.はリーグ2位となっています。ランナーを出しても、極端にテンポが悪くなっているということはなさそうです。

Plate Discipline

続いては投球内容に関するスタッツです。

Zone%がリーグトップとなっており、ストライクゾーンで勝負するという方針がチームに浸透していたことが推測されます。
一方で、Contact%、Whiff%、SwStr%がリーグ5位となっており、空振りを奪えていなかったことが分かります。O-Swing%もリーグ5位となっているため、来季は空振りを奪うために相手にスイングさせるようなボール球をさらに投じていくことが求められます。

Batted Ball

続いては被打球に関するスタッツです。

GB/FBが1.00と、ゴロとフライの割合は同じとなっています。
目立っているのはPull%の高さです。リーグトップの数字となっており、2位のタイガースに対して0.7%の差をつけています。これは12球団で見てもトップの数字となっており、今季のカープ投手陣は引っ張られることが多かったことが分かります。内角を攻めることが多かったことが推測されます。

Advanced

最後に投球結果に関するスタッツです。

K%はリーグ5位、BB%はリーグ4位で、K-BB%はスワローズに並んで最下位となっています。Plate Disciplineで空振りの少なさは確認できていたため、予想通りの数字と言えるでしょう。
その他の数字は特に飛び抜けたものはなく、HR/9やDER、LOB%を見ても上振れや下振れが起きているわけでもなさそうです。来季も同じような数字が残せるのではないでしょうか。

まとめ

以上、各種スタッツを確認していきましたが、他球団と異なる傾向となっていたのはシンカーと特殊球の多さでしょうか。そのどちらも床田によるもののため、床田は球界でもかなり特異な球種構成となっていると言えるかもしれません。
最大の弱点は空振りの少なさでしょうか。もちろん三振も内野ゴロもおなじ1つのアウトですが、三振はエラーによる出塁を許す可能性が限りなく0に近いという面において、最も安全なアウトの奪い方と言えます。ここまで長年カープ内野陣の要としてチームを支え続けてきた菊池にも衰えがくることを考えると、来季以降はより三振を増やすために、空振りを多く奪っていきたいところです。

データ参照


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