『六月燈の三姉妹』

先日、鷹野橋のサロンシネマで観た映画「六月燈(ろくがつどう)の三姉妹」。鹿児島を舞台にした人情喜劇で、寂れた商店街で和菓子屋を営む一家が主人公。次女の奈美江は離婚調停中で実家に戻っているが、映画は彼女の夫が奈美江に会いにくるところから始まる。いつもはクセのある役が多い津田寛治が、今回は受けの芝居に徹して善良な夫を演じているのが面白い。また、三女を演じた徳永えりも素晴らしく、この映画が単なる離婚騒動に終わらず、家族の物語として成立しているのも彼女の存在なしには考えられない。どちらかというと奈美江を演じた吹石一恵の華やかさを前面に出した撮影になっているが、映画を観終わったあとの印象は違うのではないかな。

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