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「言葉は不完全だ」と言えるのは言葉を尽くしているから

ごりごりハウスで夜ハ短シとミーワムーラニューバンドの2マンを観た。

ごく控えめに言って、私の感受性は大崩壊した。
心の琴線という琴線がすべて引きちぎられた。
あまりに素晴らしかったです。(もう稚拙な表現しかできない)

今日をとても楽しみにしていて、
良い席で見たくて、オープン前から店前に並んでステージの真ん前で浴びた。

ごりごりハウスはお店の大きさに対して音が大きくてむちゃくちゃ音が良い。(わたしが言うのもなんですが)
そして、近すぎて目のやり場に困りそうなほどの(目のやり場はステージのはずなのに)距離で演奏を観ていると、
演奏している人の微かな息遣いや細かな所作もすべて伝わってきて、
今、目の前で生まれて立ち上がってくる音楽そのものの中にいるみたいになる。

紡がれる言葉ひとつひとつに、
重なり合う音のひとつひとつに、
呼吸を忘れそうになるほど、
心の奥深いところが乱反射する。

夜ハ短シの進さんの歌の世界も
ミーワムーラのミワちゃんの歌の世界も
私は言葉がとても好きだ。
進さんやミワちゃんの心の窓から見ている世界を見ている気分になる。
こんなに優しい世界が、こんなに美しく世界が見えているんだって感じる。
通り過ぎてしまいそうなささやかな景色に、
ひとつひとつ自分の心を反応させて感じているんだなぁって。
尊い。

進さんの歌の中で「言葉は不完全だ」という言葉があった。
それを聴いてもう心が決壊したようにボロボロボロボロ泣いてしまった。
(すでにその前から号泣してしまってはいたんですが)
それって、言葉というものをとても大切にしていて、
言葉に対してとても誠実さがあって、
言葉を尽くしているからこそ、行き当たった想いなんだろうな、と思った。
そんな進さんの紡ぐ世界を、同じ気持ちと同じ目線でリズム隊のおふたりが音を重ねているから、
その誠実さに、余計にわたしの琴線が引きちぎれてしまう。
バンドってなんてすごいんだろう。

ミーワムーラニューバンドは、西川さんとハルカカナタのほっしーの参加により、
美女3人+翁という編成になっていて、
今までたくさん聴かせてもらったミーワムーラの音楽とまた違う、とても優しくて強い音楽だった。
演奏している側では、男性女性なんて関係なく意識もしていないのだろうけど、
聴いていると、女性ならではのしなやかさと優しさがあるんだなぁって感じる。
ミワちゃんの美しく静謐な歌の世界に丁寧に寄り添っているようで、
胎動を感じている気持ちになる。(経験はないけど)
ミワちゃんだけが持つ、あの物語の静謐さに私はいつも励まされる。

平日にも関わらずお客さんがパンパンに入って、
みんなが楽しくお酒を飲みながら好きなように観て、
村重さんのギターソロが繰り広げられるたび、隣でさとうさん(お客さん)の熱い拍手があって、
曲が終わるたびに店全体が盛上がって、
最後のアンコールでは隣で原くん(お客さん)も一緒に歌っていて、
なにもかもが嬉しくなる、なんて良い夜だったんだろう。
贅沢!!
素晴らしい演奏をありがとうございました。