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マツコ・デラックス解体珍書【2015年9月号第一特集】

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記事一覧

フェミニズム不毛の地で……マツコが代弁してみせるニッポン女性の“怒り”とは?

――八面六臂の活躍を見せるマツコ・デラックス。“彼女”は女性からの支持が厚いという。それは、彼女が常に怒りを表明しているからではないか? それは何に対しての怒りか? 「男社会」に対してである──。気鋭の女性学者が、いまだ日本を支配する女性抑圧構造をキーに、マツコ人気を読み解く!

 日本社会、特に日本のメディアと政治的言説の場はフェミニズム不毛の地だ。どれほど炎上しても繰り返し生産され続ける女性蔑

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日本郵政の上場がマツコに引導を渡す?おネエタレント増殖と株の関係に隠された秘密

――「不況の時代にはホラー映画がヒットする」というジンクスがある。真面目に検証すると眉唾物とも思われる説なのだが、閉塞感に包まれた時代に、不満や鬱屈した感情が映像の表現に表れる……というのは、納得してしまう話だ。では、この論理を株価とおネエ系タレントに当てはめてみると……。

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進出を邪魔するのは上沼恵美子の存在!? バラエティのサンクチュアリ・在阪テレビ局のマツコ需要

――これだけブレイクしているにもかかわらず、関西のテレビ局制作の番組には出演が一切ないというマツコ・デラックス。大阪には関西の大物おネエ、ナジャ・グランディーバの存在があるがゆえに、必要ないのか──と思いきや、テレビ局関係者の本音は、少々違ったようで……。

 マツコ・デラックスの目を見張る活躍ぶりについては、ここまでにも触れてきた通りだが、しかしその一方で、バラエティの宝庫・関西のテレビ局が制作

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共演NGの噂はデマ?犢橋出身の2大スターキムタクとマツコ共演の可能性

――ネットや一部報道で、共演NGとされているマツコとキムタク。デブでゲイというパーソナリティからジャニーズがNGとしたという説が流れていたが、実はすでに共演を果たしていた――。

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キムタクとマツコは同級生だった――2人が交差した魔境・千葉県「犢橋」の風景

――一部では知られていることだが、SMAP・木村拓哉とマツコ・デラックスは高校の同級生だった。平成のスーパースターと、深夜バラエティの女王の人生が最初に交差していた街「犢橋」とはどんなところなのか? その街をルポルタージュしつつ、彼らの根源に迫った。

 都心を取り囲むように、横浜から八王子、埼玉、そして千葉をつなぐ国道16号線は、「郊外」の象徴的な存在として知られている。各種チェーン店が埋め尽く

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有吉、ミッツ、関ジャニ・村上が集う奇跡の大晦日……マンガ『マツコの仮面~千の仮面を持つオカマ~』

『ガラスの仮面』
マツコ・デラックスがこよなく愛する少女マンガの金字塔的作品。

かつてのレギュラー番組『マツコの部屋』(フジテレビ)で「美内すずえ先生、楽しみにしてるんでお願いですからもうちょっと筆のほう、進めてください」と熱烈なメッセージを送ったり、単行本45巻、46巻連続発売の宣伝ポスターで月影先生に扮したりと、マツコの“美内すずえ愛”はこれまで随所で見受けられた。そこで今回は、一人の貧しい

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「編集長を出せ」と恫喝も…現場スタッフが語るマツコ・デラックスの裏の顔と人心掌握術

――マツコ・デラックスのスタッフ懐柔術はすごいらしい。現場スタッフには、とにかくたくさん声をかけ、時には叱咤し現場を盛り上げるなどして、人心を掌握しているという。ここではそんな知られざる現場からの、生の声をお届けする。

【座談会参加者】
A:中堅出版社社員 
B:テレビ制作会社社員
C:芸能記者

A 今回、サイゾーのコラムでマツコ・デラックスの現場裏の話を聞きたいってことだけど……あんまりそれ

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なぜ、おネエ系タレントはオシャレなのか? マツコで考える女装の神性と正統性

――女性ファッション誌を広げると、決して多くはないにせよ、おネエ系タレントによるファッションチェック企画を目にすることがある。こうしたタレントたちは、なぜファッションに造詣が深いのだろうか? マツコの独特なファッションと共に、トランスジェンダーのファッション性を見ていきたい。

つけまつ毛のイベントに参加するマツコ。ファッション業界も彼女に注目しているようだ。

 巨体を包み込む真っ黒なドレス。首

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最強の素人タモリとマツコを徹底比較! テレビ界の異端児タモリ、その後継者こそマツコ・デラックスだ!?

――『笑っていいとも!』(フジテレビ)終了以降、さらにサブカル色の強い冠番組を持つテレビ界の異端司会者タモリ。一方、マツコ・デラックスも、実はかなりサブカルに造詣が深い。ここではそうした彼らのパーソナリティにある共通項を見ていきつつ、次代のサブカル司会者としての可能性を探ってみたい。

(絵/小笠原徹)

■マツコ・デラックス
マツコ・デラックスのサブカルスタイルは、好きなモノに対してはとことん詳

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『夜の巷を徘徊する』で見せたマツコ×ガチの化学反応!各局7つの冠番組をテレビ関係者がレビュー!

――今や深夜バラエティの女王となったマツコ・デラックス。実に7つもの番組でMCを務めているが、内容はかぶらないのか?テレビ業界関者が、匿名でマツコMCの番組を内容から比較レビューした。

■マツコバラエティの最新形体『夜の巷を徘徊する』
(テレビ朝日系列、毎週木曜24時15分~) 放送開始:2015年4月~ 共演:なし 演出:非公開 チーフ作家:非公開
マツコが独りで夜の東京を徘徊する、初の完全ロ

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【社会学者・太田省一】さんまからマツコへ……変わるテレビとコミュニケーション――識者たちの「マツコ論」【5】

――テレビというメディアの変革期に伸びてきたマツコは、トリックスターなのか、時代の申し子なのか? 社会学的視座から考える。

 マツコさんがテレビバラエティに引っ張りだこの理由として、2つの特徴を持っていることが挙げられると思います。

 まずひとつは、彼女がテレビに対して批評家的な目を持っていることです。かつてのテレビの制作現場は、「お茶の間で、1台のテレビを囲んで観ている」という視聴者像が想定

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【中村竜太郎】伝説のジャーナリストが評するマツコの女性ではない“マージナル”な魅力――識者たちの「マツコ論」【4】

――芸能界を震撼させたスクープ「シャブ&飛鳥の衝撃」など、数々のスクープを放ち、事件、芸能、スポーツ、皇室、政治など多岐にわたるジャンルを取材するジャーナリストが浮き彫りにする、マツコ・デラックス、そしてマツコブームとは?

 世の中に対する鋭い視点と毒舌に、“異形の者”ともいえるルックス、そして自ら「しょせんはオカマ」という特殊な立ち位置。これらの特徴を武器に人気を集めるマツコ・デラックスは、今

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【お笑い評論家・ラリー遠田】ナンシー関の亡霊にすがるテレビで独り奮起するマツコの孤独な闘い――識者たちの「マツコ論」【3】

――マツコがテレビで活躍するにつれ思い出されるのがナンシー関。気鋭のお笑い評論家が、2人の比較から、現在のテレビ界を斬る!

 マツコ・デラックスという人物と、現在の彼女が主戦場としているテレビというメディアのことを考えるにあたって、1本の補助線を引いてみたい。「ナンシー関」という補助線を。

 ナンシー関は伝説的なテレビコラムニストだ。02年に亡くなるまで、テレビコラムを書き続けていた。鋭く、歯

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【コラムニスト・湯山玲子】"既得権"を享受できないマツコ・デラックスだからこそ視聴者に刺さる"まっとうな意見"――識者たちの「マツコ論」【2】

――『バラいろダンディ』や『スッキリ!!』等でテレビコメンテーターも務める評論家の湯山玲子氏。テレビの現場を知る氏だからこそ見えてくる、マツコの魅力とは?

 実はマツコさんて、「思いがけない角度から物事を分析する人」ではなく、「大人の真っ当な見識をきちんと言える人」だと思うんです。「女子アナってムカつく!」って、心ある人は誰でも思っていたこと(笑) でも今のテレビにはそれを言える人がいないから、

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