兄はガンズ&ローゼズのスラッシュ! クズ野郎にダマされても、日本を愛す、破天荒な人生を送るクリエイター

――グラフィティ・アーティスト/デザイナー/写真家と、多才な顔を持つアッシュ・ハドソン。何不自由なく生まれ育ったセレブに聞いた、栄光への道のりと落とし穴。

(写真/天田“しろくま”輔)

 ガンズ&ローゼズのギタリストであるスラッシュを兄に持ち、母親はデヴィッド・ボウイやジョニ・ミッチェル、カーリー・サイモンなど超一流アーティストのステージ衣装デザイナーを務めるという、ある種恵まれた環境で生まれ育ったアッシュ・ハドソン。日本でも知る人ぞ知るアパレル・ブランド「コナート」の創設者/デザイナーであり、現在は写真家としても活躍している彼を本誌がキャッチ。好環境の下、順風満帆な人生を送っているかと思いきや、自身のブランドの権利を剥奪され、一時はどん底に突き落とされたと語ったアッシュ。そんな紆余曲折の人生を歩んできた彼に、今年発表されたガンズ再結成の話をはじめ、生い立ちからビジネスにまつわる話を聞いた。

──生い立ちから教えてください。

「小さい頃に両親が別れて、俺は、デザイナーとして働いていた母親と祖母に育てられたんだ。兄貴はロックバンド、ガンズ&ローゼスのスラッシュ。彼が16歳くらいだったかな、当時から親友だったスティーブン・アドラー(ガンズのドラマー)が『小遣い稼ぎにロックバンドをやらねえか?』って誘ったことがきっかけで、ガンズの母体が出来上がったのを、そばで見ていたよ。ちなみに兄貴が一番最初に使っていたギターは、祖母が買ってくれたアコギさ」

──母親がアフリカン・アメリカン、父親は白人でしたが、どちらのカルチャーに囲まれて育ったんですか?

「母親が白人とも仕事をしていたから、最初はパンクやヘヴィメタにハマっていて、80年代中盤にヒップホップが誕生してからは、そのカルチャーにのめり込んでいった感じかな。そもそも母自身、典型的なブラックウーマンじゃなく、ソフィスティケイトされた女性だったしね。母親の仕事は順調だったから、ゲットーな環境ではなかったよ」

──スラッシュがギターに熱中していた頃、あなたは何に夢中だった?

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