もうEXILEにも、スタダにも勝てない?――興行収入も内容も超サムイ!? ジャニーズ“キラキラ映画”敗戦史

――少女マンガやライト文芸を原作にした、ティーン向け映画が量産されて久しい。若手イケメン俳優が主演に並ぶこのジャンル、もちろんイケメンの代名詞的な存在であるジャニーズ事務所も善戦している……と思いきや、少々様相が異なっているよう。はてさて、どうしてジャニーズのティーン向け映画はスベってしまうのだろうか?

12月に公開予定のSexy Zone・中島健人主演『ニセコイ』。中島主演の前作『心が叫びたがってるんだ。』は興行収入2.5億円の爆死だったが、大丈夫か?(画像/公式サイトより)

 ソフトフォーカス気味の写真に、ピンクや水色のカラフルな文字が躍る、若い男女が並ぶ映画のポスターを見たことがあるだろう。俗に「キラキラ映画」と呼ばれる映画だ。

 キラキラ映画は大半が少女マンガ、あるいはライト文芸原作で、売り出し中の若手イケメン俳優・人気女優がメインキャストを務める。その多くは学園モノだ。毎年コンスタントに制作され、興行収入20億円を超える作品もあるが、大人の映画好きの視界には入りにくい。

 若者の個体識別能力が低くなっている大人からすれば、「イケメンが出ている」という程度の理解から「ジャニーズとかが出てる映画でしょ?」で済ます向きも少なくないだろう。だが、それは大きな間違いだ。キラキラ映画市場において、ジャニーズは勝ち組ではない。それどころか、大きくコケている作品も少なくない。「数字を持っている人気のイケメン」の枠が、ジャニーズの専売特許ではなくなっていることが、映画市場にも表れているのだ。なぜジャニーズのキラキラ映画はヒットしにくいのか――。

テレビドラマ離れの若者を劇場へ呼んだマンガ原作

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