京都は宗教の“集積回路”だった? 京都最強のパワースポット、伏見稲荷・鞍馬山が新宗教なワケ

――京都といえば、神社仏閣が欠かせない。そして、そこにはさぞかし深い歴史があるのだろうと思いがちだが──実はその神社仏閣、意外にも近代に成立した、新宗教のものかもしれないことをご存じだろうか? ここでは、京都市内における2大新宗教スポットから、その歴史的意義を再検証していきたい。

モノクロではわかりにくいが、伏見稲荷大社の真っ赤な千本鳥居はあまりに有名だろう。山頂まで続くこの鳥居の道中にも、お塚は存在する。

 古都・京都観光の醍醐味といえば、神社仏閣巡りだろう。清水寺や平安神宮などは修学旅行の鉄板スポットになっているし、金閣寺や銀閣寺をはじめ、世界遺産になっているところも少なくない。しかし、千年の歴史を並走してきた京都の神社仏閣において、実は新宗教の管理下にあるものが多いことは、あまり知られていないのではないだろうか。日本における新宗教とは、一般に幕末・明治維新以降から近年にかけて創始された比較的新しい宗教を指すわけで、その歴史を見れば該当しないと思われるかもしれない。しかし、管理する“宗教法人”で見れば、冒頭の清水寺や平安神宮も、“新宗教”であることは明らかだ。

 そこでここでは、そんな新宗教事情を掘り下げることで、京都の信仰の本質に迫っていきたい──。

 京都の新宗教を語る上で、上智大学神学部特任教授であり、グリーフケア研究所所長の島薗進氏はまず、「伏見稲荷大社の本殿の裏にあたる、稲荷山に設けられたお塚群が非常に重要だ」と指摘する。

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