ジャニーズ事務所の女帝は屍肉を食らう女神!? 豊川稲荷とメリーさん、シンパシーの理由

――ジャニーズとスピリチュアルの結びつきをもっとも象徴する場所が、赤坂にある豊川稲荷(東京別院)だ。最強女神を祀っているという点において豊川稲荷とジャニーズ事務所にシンパシーを感じた我々は、宗教社会学者の岡本亮輔氏にさらに詳しい解説をお願いした。

ジャニーズのタレントの名入り提灯。

 ジャニーズは、もはや芸能界における神通力を失いつつある。復活のためには神仏の力を借りるしかない……が、ジャニーズ事務所の“信仰”についてはあまり知られていないところが多い。メリー・ジャニー姉弟の父は高野山真言宗米国別院の僧侶だったが、特に2人が熱心な仏教徒だと聞くことはない。

 そんなジャニーズにあって、継続的にかかわりが伝えられているのが東京・赤坂にある「豊川稲荷 東京別院」だ。

 タレントたちが初詣や節分の豆まきに訪れることで知られ、境内の三所殿(絵馬や御札、お守りを販売する事務所)には「東山紀之」「今井翼」「堂本光一」といったタレントの名入り提灯がデカデカと陳列されている。1997年のKinKi Kids CDデビュー時には、記者会見の会場にもなった。ではこの豊川稲荷、どういった場所なのだろうか。

「豊川稲荷は、正式には妙厳寺という曹洞宗のお寺です。本院は愛知県豊川市にあり、今川義元、織田信長、徳川家康など名だたる武将たちの信仰を集めてきたとされています」と説明するのは、宗教社会学者で北海道大学准教授の岡本亮輔氏だ。「稲荷」と呼ばれているが、神社ではないのだという。

「明治以前の日本では、神仏習合が当たり前であり、一般的には神職と僧侶の区別もつけられていないくらいでした。ですので、お寺と神社が共存していることは珍しくなく、豊川稲荷もそれがそのまま残っているのだと考えられます。ただし、伏見稲荷などの稲荷信仰とは異なり、豊川稲荷に祀られているのは『荼枳尼天』という神様です」(岡本氏)

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