炎上狙いは“ゴックン”動画のサントリーか? 宮城PR動画の壇蜜か? 動画のプロがジャッジ! 2大炎上動画を白黒裁判開廷

――あからさまに燃え上がった2つのウェブCMは、“ヤッてる”のか?

●クオリティが高ければ炎上しなかった!?
宮城県観光PR動画『涼・宮城の夏』

ヤッちゃってる判定
50%(オフホワイト)

“殿方に涼しいおもてなしをすること”が使命の「お蜜」(壇蜜)が、宮城県の名産品や観光名所を紹介するという内容。「肉汁トロットロ、牛のし・た」などの言い回しや、壇蜜の乗る亀がなでられて頭を大きくする演出などに批判が集まり、先月末に公式に動画が削除された。

【解説】壇蜜を起用している時点である程度「エロ」を意識していたことは否めないが、そこまで露骨な演出はない。制作は地方の代理店で炎上抑制のノウハウを知らなかっただけかもしれない、という印象。気になるのは、単純に内容が圧倒的につまらないということ。淡々とした内容でストーリー性もなければ、宮城県のアピールポイントも感じられず、美術も映像編集もお粗末。おそらく内容さえ面白ければ、エロさもそこまで気にならず、これほど叩かれなかったのではないだろうか?

●画面からあふれる代理店の思惑 !
サントリー「頂」『絶頂うまい出張』

ヤッちゃってる判定
99%(真っ黒)

【解説】炎上狙いは、誰がどう見ても明らか。電通制作というだけあって、確信犯的に「エロ」や「一人称」といったバズる要素をふんだんに盛り込んでいるが、そのノウハウがもはや時代遅れだと考えられる。視聴者の目も肥えて、厳しくなってきている中、安易な発想でサントリーのブランドイメージを著しく低下させてしまった。電通はチームによって制作のカラーがまったく異なるため、電通を丸ごと批判するのは少々気の毒とも言えるが、まさにバズブームの終焉を決定づけるような炎上動画となってしまった。

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