【江戸期の日本人とおっぱい】今じゃ考えられない! 「春画」から学ぶ近世人のバストへの“無関心”

――江戸時代に発達したエロ本である春本に描かれた春画を見てみると、乳房をきちんと描いたものは案外少ないという。その理由とは……?

(写真/三浦太輔・go relax E more)

 近代以降の日本のエロ本文化の源となっている、江戸時代の「春本」を見てみよう。春本は好色な内容の文章や絵をまとめた本のことで、そこに掲載されている男女の営みの絵を「春画」という。

 鈴木春信、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳など教科書に載るような有名な浮世絵師が多くの春画を残している。ところが、そのほとんどは着衣のまま裾のみはだけており、性器が生々しく露出しているシーンが多いものの、乳頭はおろか胸のふくらみを感じさせる絵は割合として少ない。

 時代小説作家であり、春画をはじめとする江戸文化に関する評論でも知られる永井義男氏は、次のように説明する。

「当時の木造住宅は隙間風が入るのでとても寒い。実際に着物を着たまま行為に及ぶことが多かったのでしょう。裸になっている春画も残ってはいますが、小道具に蚊帳などが描かれていることから、それらは真夏のシーンであることがわかります」

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