PayPal創業者が跋扈し、アマゾンが勝った裏付けがここに!ノンフィクションから読み解くスタートアップの最前線

――ジャーナリストらがその創業者や初期メンバーから深く取材をし批判も含めて綴った、テクノロジー企業の内実を描くノンフィクションには良書が多い。いま現在テック業界を牽引する企業の本来の姿が描かれたそうした書籍を一挙レビューすることで、業界の最前線を研究してみたい。

 20世紀末のドットコムバブル以降、スタートアップ(起業)という言葉を頻繁に耳にするようになった。なんとなく「起業したてのIT系ベンチャー」などとイメージする人が多いだろう。概ね正解だ。

 だが、厳密に言えばスタートアップはIT分野でなくても構わないし、会社組織である必要もない。ここで扱うスタートアップとは、個人資本、もしくはベンチャー・キャピタルから出資を受け、これまでにない新しいビジネスモデルや潜在的市場を発見し、短期間のうちに急激に成長して、イグジット(バイアウトやIPO)を狙う人(ファウンダー)たちの集合のことだ。今をときめくグーグル、フェイスブック、ツイッターといった企業も、ほんの数年前まではスタートアップだったのだ。

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