他局の努力がフジの独走を一変させていた!ブランド崩壊には“裏”がある? 裏番組で見る月9視聴率の興亡史

――「月9は終わった」と言うのは簡単だが、“縦”で比較するのではなく、“横”に目を向けてみると……。そこには挑戦と敗北の中で力をつけ、ついには月9を食うまでに至った“裏番組”の存在があった。

“日テレの月9”バラエティの立役者といえばこの人。 もしかしたらフジの救世主となる?

『月9』不調の原因を、目先の作品のみに求めるのはいささか強引かもしれない。

 裏番組を見てみると、ドラマスペシャルを放送しているTBSを除き、『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日)『世界ナゼそこに?日本人 ~知られざる波瀾万丈伝~』(テレビ東京)と、人気バラエティ番組が並んでいる。特に『深イイ話』は、視聴率が15%を超えることもあるほどの高視聴率番組。「月9の数字が下がっている」という理由だけでは、この数字は残せない。むしろ「それだけの強敵がいるので、数字が相対的に落ちてしまった」と考えるほうが自然なのだ。

 月9がその確固たる地位を築き始めたのは1990年代前半。『東京ラブストーリー』(91年1月期)や『101回目のプロポーズ』(91年7月期)など数多くの名作が生まれ、現在『ラヴソング』で戦犯扱いの福山雅治が出演した『ひとつ屋根の下』(93年4月期)も平均視聴率28・4%とそれまでの最高記録を塗り替えた。そして90年代後半からは木村拓哉主演ドラマの全盛期へ。歴代平均視聴率3位の29・6%を記録した『ロングバケーション』(96年4月期)、30・8%で歴代2位の『ラブジェネレーション』(97年10月期)など大ヒットを連発し、01年には歴代1位の『HERO』(01年1月期)が平均視聴率34・3%と圧倒的な数字を残した。

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