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世界興行収入12億3261万ドルを突破! 角川までもディズニーの手中に? 『アナと雪の女王』圧勝の全容

――今年、日本のみならず世界中で大ヒットとなったアニメといえば、ディズニーの『アナと雪の女王』以外にないだろう。なかでも、北米に次いで、2位の興行収入を記録した日本では、”著作権の権化”ともいうべきディズニーが見せた寛容な姿勢がそのヒットの要因になっているという。果たして、ディズニーが見せた変化とは?

■予告をガンガン流せた『マレフィセント』の“便乗ヒット”でウハウハ
『アナ雪』の予告枠の活用によって、興行収入60億円ものヒットとなった『マレフィセント』。同作の公開に当たっては、マスコミ関係者のもとにディズニー社から“マレフィセントの角を模したキャップ”のノベルティが一斉に送られてくるなど、プロモーションも派手だったとか。
■“守られるプリンセス”から“攻めるプリンセス”への移行で信者獲得
アニメーション映画として、世界歴代興行収入1位を記録した『アナ雪』。なかでも、北米に次いで、日本と韓国での興行収入が多く、女性の社会進出が叫ばれる両国の世相にぴったりとハマったのでは……?
■素人動画黙認で“無料プロモーション”に大成功!
公式音源・公式画像を使用して作られた『口パク』動画や『歌ってみた』動画などが世界中で話題となった。著作権に厳しいディズニーがこれを黙認してプロモーションに活用。さらには、ジブリ、KADOKAWAとのタッグでより強力なコンテンツ展開を目論んでいるとの噂も。

空前の大ヒットとなり、アニメーション映画の世界歴代興行収入1位を記録したディズニー映画『アナと雪の女王』。その興行収入は北米でおよそ433億円、日本でも『千と千尋の神隠し』(2001年)『タイタニック』(1997年)に次いで、歴代3位となる259億円を記録し、久々の大ヒットとなった。さらに、『アナ雪』のサウンドトラックCDは出荷枚数が100万枚を超え、DVDとBlu-rayも合わせて250万枚以上の売り上げを突破(Blu-rayだけで100万枚の売り上げを突破したのは日本初)。まさに、日本中で”アナ雪旋風”を巻き起こしたのだ。

果たして、この圧倒的な勝因はなんだったのか。本稿では、そのビジネス戦略をあらためて検証していきたいと思う。

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