町の集会所が”宗教法人”になるまで……GHQの脅威と戦ってきた神社と神職の基礎知識

――山や川、木や花など、自然のすべてのものには神が宿る……そんな八百万の神を信仰する、寛容な宗教である神道。まずはその歴史をさかのぼってみよう。

神社本庁ができたことにより、神職同士の交流が生まれたことも確か。

日本における神道の歴史は、戦前と戦後で大きく分けられる。戦前の神道は神社を中心とする「神社神道」として、各地域の文化や伝統が色濃く反映されていた。ところが戦後、1945年に連合国軍総司令部(GHQ)による「神道指令」が発令され、「GHQの”宗教改革”によって神社がなくなる」という危機感を持った神社界の有志たちにより、「神社本庁」が設けられた。これによって、全国の神社は包括されるようになったのだ。

さらに翌年の46年、神社は「宗教法人」として認可される。つまり、これを境に、町の公民館的な役割を果たしていた神社は、仏教やキリスト教などと同じ”宗教”として正式に定められたのである。

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