男性アイドル集団は完成された宗教なのか――多神教ニッポンで考えるジャニーズの「宗教性」「聖性」

――真言宗の僧侶の家庭に生まれた、ジャニーズ事務所代表のジャニー喜多川社長。この出自が関係しているかどうかは定かでないが、ジャニーズとファンの関係は宗教のそれと類似している……という指摘がある。では、宗教に造詣の深い識者はどうみているのだろうか?

サイゾーの読者でないにしろ、多少なりとも芸能界に精通している人であれば、「ジャニーズとファンの関係は宗教的である」などという説を耳にしたことがあるだろう。徹底的に統制されたファンの行動や、ファンクラブの会員のみに門戸が開かれたコンサートチケットの購入システム(後述)など、ファン心理を突いたビジネスモデルを見るまでもなく、妄信的(に見える)なファンのジャニーズタレントに対する振る舞いは、まさに巨大宗教団体の信者と対比して語られることがある。ジャニーズ事務所代表であるジャニー喜多川社長の父親が、真言宗の僧侶であることも、こういった説のもっともらしさを後押ししているのかもしれない。

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