気鋭の女性政治学者が、EBiDANとファンのあり方を分析!“選別”に身を投げ出す男性アイドルと消費社会の中で“権利行使”する女性たち

――EBiDAN人気を支える多くの女性ファン。彼女たちをそのような行動に駆り立てるものは、はたしてなんなのか? そこからかいま見える、昨今の社会状況の変化とは?若年女性のカルチャーを、社会学・フェミニズム等の立場から多角的に分析し続けている気鋭の女性学者が、戦後女性史を踏まえ、熱狂的なEBiDAN現象を読み解く!

 1975年の論稿においてローラ・マルヴィは、映像と視線の関係に示される権力構造について問題提起を行った。映画とは、「見る主体」である男性と「見られる客体」である女性との間に広がる不均衡な権力関係であり、映画的なスペクタクルとしての女性身体の表象と商品化であると。

 それからおよそ25年。02年日韓W杯で起こったのは、「見る主体である男性」と「見られる客体である女性」という関係の転倒だった。韓国のジェンダー研究を牽引する金賢美は、スポーツ観戦の場でイケメン選手たちに声援を送ったアジアの女性たちについて、こう記した。

『超特急 1st PHOTO BOOK トゥリマカシ・サマSummer』
(主婦と生活社)

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