“洗脳騒動”のいまだからこそ全肯定!能年玲奈ちゃんは日本国民の“娘”である!――能年ちゃん徹底礼賛!

――“洗脳騒動”で身辺が騒がしい、われらがアイドル能年玲奈ちゃん。あんなにかわいいのに、かわいそうだよ! というわけで能年玲奈ヒストリーを振り返りつつ、持てる力のすべてをもってして彼女を全肯定! わずか13歳中学2年生でニコラモデルとしてデビュー、決して多作とはいえない彼女のキャリアを、同じくバーニング周防社長の寵愛を受けた大先輩、小泉今日子と比較する形で徹底検証!

(絵/斎藤美奈子ボツフォード)


 能年玲奈の芸能生命がピンチだ。

 4月25日付の東京スポーツが報じた「能年玲奈“洗脳”騒動」に端を発した、人気女優、能年玲奈(21)のスキャンダル。ことの発端は、能年が、自身の所属事務所であるレプロエンタテインメント(以下、レプロ)に無断で、個人事務所「三毛andカリントウ」を設立したことに始まる。この個人事務所の代表取締役は能年自身が務め、同社取締役に名を連ねているのが、レプロで彼女の演技指導を務めていた、“魅力開発トレーナー”なる肩書きの滝沢充子氏。滝沢氏は能年がNHK連続ドラマ小説『あまちゃん』のヒロインになるまで演技指導をしたという、いわば育ての親。中学卒業と同時に上京をしている能年にとっては2人目の母とも呼べる彼女を、能年は日頃から「先生」と慕い、現在は、都内の商業ビルで半同棲中とも報じられている。

 第一報の東スポがこの件を“洗脳”とセンセーショナルに表現したことで、その論調を追うメディアは多かったが、「週刊文春」(2015年5月7日・14日号)は、この個人事務所の設立に至るまでの経緯を詳細に記し、どちらかといえば問題は能年を冷遇してきた所属事務所のレプロの側にあるのだという、“洗脳”とは逆のスタンスをとっている。こうして、この騒動の勢いは報道から2カ月近くたついまもまったく収まることはなく、マスコミ各社をも巻き込む大騒動になっているのだ。

 そもそも能年は、のちの所属事務所の先輩となる新垣結衣に憧れて応募したニコラモデルオーディションでグランプリを獲得して芸能界入り。中学卒業と同時に兵庫県の実家から上京し、レプロの寮で暮らしながら“ニコモ”として活動していた。だが、当時の「ニコラ」では、日南響子(表紙16回、単独2回)、西内まりや(表紙11回、単独3回)、川口春奈(表紙15回、単独3回)らが中心モデルとなって大活躍中で、対する能年玲奈は表紙3回、単独表紙なしと、決して大活躍とはいえない状況だったようだ。

 しかしこの時期に演技レッスンを受けて演じることが楽しくなったという能年は、本格的に女優の道を志す。このときに彼女を指導していたのが、“生ゴミ先生”(滝沢氏が「あなたはこの仕事をしなければ生ゴミね」と能年に対して言い放ったことからついたというあだ名)こと、前述の滝沢氏なのである。

 能年の女優デビューは、中島哲也が監督を務め、松たか子が主演し大ヒットした映画『告白』(10年)だが、あくまでも能年は大勢いる生徒役のひとりであり、台詞もなかった。だが、このときのオーディションの審査基準は役柄に合わせて15歳以下とされていたにもかかわらず、能年は当時16歳、最年長で役をもらっている。このことについて中島監督はのちに、「彼女は特別だから」と周囲に語ったという。この時点ですでに売れっ子監督の目に彼女は、光って映ったのかもしれない。

「業界内では、『カラスの親指』(12年)のヒロインに決まったあたりから、能年玲奈というすごい子がレプロにいるらしい……という噂が広まっていましたね。今回の騒動にまつわる報道でいろいろと言われていますが、確かに彼女自身が、周りにすぐ馴染めるようなタイプではない特殊な子であることは間違いないと思います。でも、器用に何かを演じられるという子ではないけど、彼女にしかできない表現で演技をできるタイプの子だから、演出家やクリエイターのような、より“本物”を求める人にはたまらない素材だったと思いますね」(制作会社プロデューサー)

『カラスの親指』で、役作りのために20センチ以上も髪を切り、現在でもお馴染みのショートヘアとなった能年は、この作品で第37回報知映画賞新人賞を受賞。翌年にはオーディションで1953人の中から『あまちゃん』の主演の座を勝ち取るに至るのである。そしてこの『あまちゃん』で、彼女にとっては3番目の親ともいえるような存在である、小泉今日子と出会うことになる。この小泉こそが、現在巻き起こっている能年にまつわる騒動を、一層ドラマティックなものとしているのだ。

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