ジェネリック、副作用、ニセモノ……バイアグラはお役御免!? ED治療薬の新勢力と落とし穴

――日本では1999年に販売が始まり、いろいろと話題になったバイアグラ。あれから15年後の2014年に国内での成分特許が切れると、他社のジェネリックが続々と登場し、製造元のファイザーは苦境に立たされているように見える──。ED治療薬の効果や危険性を改めて整理しつつ、そのマーケットの最新状況に迫っていきたい。

編集Nが必要に応じて個人輸入代行業者によるネット薬局で購入するのは、インドのアジャンタ・ファーマ社が製造する「カマグラゴールド」。日本ではコピー版バイアグラという位置づけだが、実質的にはジェネリックバイアグラ。

 バイアグラ──それは男の性的苦悩を解決する世界初の「夢の治療薬」。米ファイザー社が1998年に、日本ではファイザー製薬(現・ファイザー)が翌年から販売を開始、いわゆるインポテンツ(性的不能)にED(Erectile Dysfunction/勃起不全)という症状名を与え、夜の営みをあきらめていた男たちに「治療すれば回復するのか!」という希望を広めた。その反面、服用して性行為に臨んだ老人が心臓発作を起こして死亡したり、ブームに便乗して有象無象のニセモノが流通したりと、社会現象となったことを記憶している読者も多いだろう。

 しかし、現在ではあの頃のようにバイアグラが取り沙汰されることはなくなってしまった。というのも、バイアグラの登場から何年かたつと、後述するレビトラやシアリスという新たなED治療薬が開発・販売されるようになり、ED治療薬市場はファイザーの独占状態ではなくなったのだ。

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