菅田将暉になくて、伊野尾慧にあるものとは? 雑誌を占拠するジャニーズ、被写体としての実力を問う!

――アイドル誌、テレビ誌、情報誌、ファッション誌……ありとあらゆる媒体でフォトジェニックな姿を見せるジャニーズのアイドルたち。同じ誌面に並ぶほかのイケメンと彼らとでは何が違うのか。歌手やタレントとしてのマルチな才能を持つジャニタレの“モデル”としての真価を考察する。

【1】「SPUR MAN」 (集英社)
言わずと知れたモードファッション誌「SPUR」がジャニタレをモデルに起用し、メンズ版を出版。ファンには好評だったがシリーズ化はされていない。

【2】「MEN'S NON-NO」(集英社)
東出昌大や坂口健太郎など次世代のイケメンスターを輩出することでも知られているが、ジャニタレの起用も多い。また最近、関ジャニ∞がジャニーズ初の連載を開始した。

【3】「SODA」(ぴあ)
カルチャー誌ながら、イケメングラビアに定評がある雑誌。ここ最近はHey!Say!JUMPの伊野尾慧が数多のカルチャー誌グラビアを席巻。中でもジャニオタをザワつかせたのがこちら。

 多種多様な雑誌でグラビアを飾るジャニーズのアイドルたち。その起用には「固定ファンの購入による売り上げ確保」という理由も当然あるだろう。しかし、被写体となったジャニーズ・アイドルは、ほかの男性タレントにはない“特別な何か”を写真上で表現できるのではないか? そんな仮説を元に「被写体としてのジャニーズの魅力」に迫ってみたい。

 まず彼らと、イケメン俳優やモデルなどほかの男性タレントとの違いはどこにあるのか。『東大院生。僕、ジャニ男(ヲ)タです。』(アールズ出版)の著者で、ジャニオタでもある東京大学大学院総合文化研究科・特任研究員の福博充氏は、こう語る。

「ジャニーズの特徴は、マスメディアの主流にいながらも、現実社会で求められるいわゆる『男らしさ』とは異なる男性性を提示していること。例えば、三代目J Soul BrothersをはじめとしたLDH勢は、ダンスで鍛え上げた肉体など、その外見は現実社会が求める男らしさと親和性が高い。一方、ジャニーズは草創期より、中性的な男性性を一貫して押し出してきた。今では俳優の菅田将暉や野村周平などの“非ジャニーズの主流派”も、中性的なルックスですが、例えば雑誌などでは男性同士で抱きつく・キスをするといった演出にはあまり応じない。戯れる演出、そして女装さえも厭わないのは、ジャニーズだけでしょう」

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