寺はドラッグの受け渡し場!? 芸妓さんは売春婦!? 外国人に聞いた「トンデモ京都観」

――実は京都は、海外ではあまり知られていない。知っている人がいても、何だかやけに偏ったイメージだ。そこで本稿では、日本にはほとんど伝わってこない、海外から見た京都のイメージを取り上げてみたい。

取材の前に、海外在住の外国人に「京都を知っているか?」と聞いてみたところ、2割の外国人にしか認知されていなかった。その後、渋谷の駅前で、観光客や日本で商売をしている外国人に街頭調査を行ってみても、4割にしか知られていないことがわかった。

 日本のインバウンド市場が激アツだ。都市部で生活をしていると自撮り棒にスマートフォンを取り付けて撮影したり、両手に抱えきれないほどの買い物袋を持った外国人を見かけるのも珍しくなく、海外からの観光客が増えてきているというのは目に見えてわかる。日本を代表する観光都市・京都もその恩恵を多分に受けており、最新の調査によれば外国人観光客の数は年間100万人を突破し、右肩上がりで増えているという。インターネットで「京都 海外の反応」と検索してみても「美しすぎる京都の景観に海外から絶賛の嵐!」などと謳うまとめサイトが山のようにヒットし、京都人気を喧伝している。

 だが一方で、興味深いデータもある。たしかに観光雑誌の世界的権威『トラベル+レジャー』誌が実施した読者投票において、京都は2014年・2015年と2年連続で「世界一魅力のある都市」に輝いている。ただ、口コミをメインコンテンツとする世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」が発表した「世界の人気観光都市ランキング2016」では、京都はなんと上位25位にも入っておらず、東京ですら21位という結果なのだ。『トラベル+レジャー』はアメリカの富裕層をターゲットにした、いわば特権層が読む雑誌である。インターネット上の口コミを頼って旅する大多数の外国人にしてみれば、京都の認知度はまだまだ日本で言われているほど高いわけではないのだ。

 また、訪日外国人の内訳を見てみると、全体の8割を占めているのがアジア人だ。欧米からの観光客も増加はしているものの、シェアは1割程度である。そこで、欧米系のインターネット掲示板Redditで「京都を知っていますか? また、どのようなイメージを抱いていますか」と質問してみた。

「京都? もちろん知ってるよ。市民はキモノの着用が義務付けられていて、自動ドアつきの寺院に住んでるんだ。最高にクールだよな」

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