巨大化しすぎた弘道会のカネと力が引き金に……原因は小泉構造改革!? 日本経済と山口組の関係

――前記事まで、山口組の歴史と分裂への軌跡をたどってきた。90年代以降、痩せ細っていく日本経済界において邪魔者とされたヤクザビジネスの変容は、ここまで見てきた通り。では、分裂の引き金を引いた具体的なきっかけはなんだったのか? さらに詳しく解説していこう。

『小泉政治の正体―真の改革者か稀代のペテン師か』(PHP研究所)

 山口組分裂の“根っこ”は小泉構造改革にある――。

 いきなりこんなことを書くと、奇異に感じられるだろう。もとより、当事者である組長たちの胸中に、小泉純一郎の名前などあるはずもない。

 だが、大物組長と「任侠」について語り合った経験のない身でも、企業舎弟たちのビジネス(シノギ)の裏オモテをウォッチしてきた目で見れば、おのずと冒頭のような結論に行きつくのである。

 2001年に始まった小泉構造改革では、国の借金が雪だるま式に増えるのを止めるため、公共事業費の大幅な削減が断行された。

 このことは結果的に、多くのヤクザから、キャリアパス(出世の道筋)を奪ってしまう。

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