美術がカネを生む本当の“理由”――ゴーギャン355億、セザンヌ325億、モナリザは“無価値”!?

――いま話題の「パナマ文書」をきっかけに有名絵画が押収されたり、ZOZOTOWN創業者がバスキアの絵を60億円超で落札したりと、アート絡みのニュースが話題となる昨今。ではそもそも、芸術作品に対する「値付け」とはどのような場所でどのように行われ、その価格はどのような意味を持っているのだろうか?基本知識を解説しつつ、そのオモテウラについてアートビジネス関係者の話を聞いた。

(写真/渡部幸和)

 2016年5月、服飾系大手ショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイ代表取締役社長の前澤友作氏が、ニューヨークで開催された「クリスティーズイブニングオークションセール」で、アンディ・ウォーホルの友人でもあった米国出身の世界的な画家ジャン=ミシェル・バスキアのペインティングを5728万5000ドル(約62・4億円)で落札したことが報じられた。自らが創設した公益財団法人現代芸術振興財団の会長であり、現代アートのコレクターとしても知られる前澤氏(ついでにいえば氏は、あのダルビッシュ有投手の元妻・紗栄子と交際中であることでも知られる)はこのオークションで、バスキアのほか、ブルース・ナウマン、アレクサンダー・カルダー、リチャード・プリンス、ジェフ・クーンズなど現代美術の作品計5点を落札したという。

 高額絵画を日本人が落札した例としては、バブル期の90年に、ゴッホの『医師ガシェの肖像』を8250万ドル(当時のレートで約124億5000万円)で落札し、その数日後にルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』を7810万ドル(同約119億円)で落札した、大昭和製紙の名誉会長、齋藤了英氏(故人)などが広く知られている。バスキアとゴッホではさすがに少々“格”が異なるものの、いずれも庶民の感覚では考えられない、超高額の絵画であることは間違いない。

 しかし、そうした著名絵画には、なぜそれほどまでの高値がつけられているのか? そもそもそうした価格は、いったい誰がどのように決めるのか?そして、そのような超高額絵画を買うメリットとは、はたしてなんなのか? 日本初の現代アートの画廊「東京画廊」の代表取締役社長である山本豊津氏の『アートは資本主義の行方を予言する』(PHP新書)、世界的なオークション会社、サザビーズジャパンの前社長である石坂泰章氏の『巨大アートビジネスの裏側』(文春新書)などを参考にしながら、まずは美術界の価格決定システムの“オフィシャル”な部分について考えてみることにしよう。

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