乃木坂よりもキンプリよりもバズってる!――“中国芸能界”が大変革を迎える!空前絶後のアイドルブーム狂想曲

――今、中国では空前絶後のアイドルブームが訪れている。日本ではもはや珍しがられることもなくなったアイドル文化も、中国では新鮮な感動をもって熱狂を巻き起こしているという。その実情を追った。

18年の「今年中国で影響を与えた人物」に、女子アイドルとして初めて選出されたヤン・チャオユエ。かわいい。(写真/Imaginechina/アフロ)

 2018年末、政府系娯楽メディア「中国新聞周刊」が発表した「今年中国で影響を与えた人物」に賛否の声が噴出した。議論の的となったのは、その人選。中国卓球協会会長、国立故宮博物院院長、映画監督など30代以上の男性たち17人に交じり、弱冠21歳の女子アイドル、ロケット少女のヤン・チャオユエ(楊超越)が選ばれたのだ。

 こうした異例の人選は、18年に中国で空前のアイドルブームが巻き起ったことに起因している。例えば、中国で人気の指標とされる「weibo」のフォロワー数は、TFBOYSのワン・ジュンカイ(王俊凱)が7250万人、NINE PERCENTのカイ・シュクン(蔡徐坤)が2539万人、先のヤン・チャオユエが1081万人。世界的に知られるアンジェラベイビー(1億54万人)、ファン・ビンビン(6290万人)、チャン・ツィイー(2820万人)と比較すると、その人気ぶりが推測できる。

 膨大な数のファンを抱えた彼らの影響力は絶大で、近年では「アイドル市場」という言葉も誕生するほどだ。中国のある証券会社の試算によれば、2020年の同市場の産業規模は約1・6兆円になるというから、いかに熱い市場になってきているかが窺える。

 実は、中国で国産のアイドルグループがブームになるのは史上初のこと。なぜ今、隣国では次々とアイドルグループが生まれているのだろうか。

80年代に始まった中国の芸能界

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