『バクマン。』も『進撃の巨人』も映画を見ただけ! 「ガロ」出身の蛭子能収が語るタレントとマンガ家稼業

――独創的な誌面で知られたマンガ雑誌「ガロ」で世に出た蛭子能収さんも、今や人気タレント。彼は、現在のマンガ業界をどう見ているのか?

 なんと映画化も決定した『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』をはじめとして、テレビタレントとして大人気の蛭子能収さん。論語をテーマにした新刊『蛭子の論語』(角川新書)も好評で、さまざまなジャンルでの活躍が目覚ましいが、本来はマンガ家である。今はなき伝説のマンガ雑誌「ガロ」(青林堂、当時)誌上を中心に活躍し、そのシュールな作風は海外でも評価が高い。

蛭子能収(以下、蛭子) といっても、今はあんまり描いてないんですけどね。注文があれば描いてるんだけど、その注文が減っちゃって……。テレビに出て顔が知られるようになってから、マンガが売れなくなったんですよね。

――蛭子さんのマンガはシュールで怖い作品ばかりでしたからね。どんなに怖い人が描いてるのかと思ったら……。

蛭子 あの頃はマンガの中でいかに残酷に人を殺すかってことばかり考えてましたからね。でも描いてるのがこんな顔なんで、がっかりされたんじゃないかな(笑)。一気に読者が離れました。

――そんな青林堂も97年に分裂騒動があり、今は排外主義的な右寄りの出版物も多い版元に変わってしまいました。

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