電通傘下のPR会社による活動が裏目に出ることも!憲法は金と情報で改正される?世間を洗脳するPR会社の実像

――90年代、バブル崩壊の余波で多くの企業や銀行が記者会見を開くことがあった。そのときに裏で取り仕切ることを任されていたのが、PR会社だったという。海外ではこうした会社の存在は広く知られているが、日本でも、一般人が眠る間にさまざまなことが“PR”によって、決められていくのだという。

タレントを起用した新商品や映画の発表記者会見などは、テレビなどでよく見る風景。これらもいわずもがなPR会社の仕事である。

 一般的にPR会社の仕事といえば、企業からの新商品や新作映画の広報業務を代理で行うといったイメージだろう。商品がメディアに取り上げられるために、プレスリリースを送付したり、記者会見を開催したり、そのほかメディア対応といった業務を請けおっている。しかし、そんな「表」の活動とは異なった形で「裏」のPRを手掛けていることはあまり知られていない。本稿では、企業の裏側や政治の世界など、決して表には出ない世界で活躍するPR会社の知られざる実態を垣間見てみよう。

 15年に、経済ニュースのみならず、ワイドショーをも巻き込んで世間の耳目を集めた大塚家具のお家騒動。この一件では創業者一族によるプロキシファイト(委任状争奪戦)が繰り広げられ、娘の久美子社長と父・勝久会長との間で激しい議決権の奪い合いとなった。その結果61%の支持を獲得した久美子社長に軍配が上がることとなる。この騒動の背後にピッタリと寄り添っていたのがPR会社だった。ある経済誌の記者は、この騒動を振り返ってこのように解説する。

「久美子社長の方には『メディアゲイン』というPR会社が、勝久会長側には『ボックスグローバル・ジャパン(以下、VOX)』がつき、それぞれが議決権の取りまとめに暗躍していました。株主に対してDMや電話攻勢をしただけでなく、新聞・テレビなどのマスメディア記者に接触し、自陣営に有利になる情報を提供するなど、メディアを巻き込んだ総力戦が展開されたんです。特にメディアゲインは、ワイドショーや情報番組などに、テレビ映えのする久美子社長のインタビューを売り込み、それで個人株主の取り込みに成功したと言われました」

 大手メディアの経済記者といえども、星の数ほどある上場企業のすべての動向をつぶさに観察し続けるのは不可能。そこで、事件が起きた際に記者が頼りにしているのが、PR会社による状況説明や彼らが用意する資料だ。

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