晴海から外苑に強行移行!新国立競技場の論点
――東京五輪の開催が決定したものの、インフラの整備については多くの課題が山積みになっている。なかでも新国立競技場をめぐっては議論が絶えないが……。
新国立競技場の公式HPより。
石原慎太郎元東京都知事が2006年にブチ上げた「2016年東京オリンピック招致計画」。この時はブラジルのリオデジャネイロに敗北したが、猪瀬直樹体制に代わって再び2020年招致計画を遂行。見事に招致を勝ち取り、日本は歓喜に包まれた。
だが、光があれば陰もある。その最たるものが、明治神宮外苑にある新国立競技場の建て替え問題だ。
「このままでは、日本は巨大な負債を抱えてしまう」
こんな声が建築家や地域住民、さらには自民党内部からも聞こえている。まずは、その諸問題を整理してみよう。
第一は、その巨大さが批判の的になっていること。デザインは、イギリス在住の建築家ザハ・ハディド氏が手がけた。コンペ形式で選定され、当初は屋根に巨大な2本の梁が渡された流線形のフォルムが評価されていた。ところが、75メートルを超える高さやJRをまたぐように設置されたデッキなどの問題が指摘されると、事業主の独立行政法人日本スポーツ振興センターは縮小案を提示。これが「当初のザハ案とはかけ離れたデザイン」「鈍重な亀のようで、粗大ゴミを抱え込んでしまう」などなど、高名な建築家まで巻き込んで怨嗟にも似た批判が沸き上がった。
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