エルサレムのイチゴ

【第23回】今週のアルジャジーラ〔コロンビア〕

毎週金曜日に更新している「今週のアルジャジーラ」。しかし、「今週のアルジャジーラ」は金曜日という概念に挑戦状を突きつけるため、あえて土曜日に更新することがある。土曜日とはすなわち、広義の金曜日である。(これ、更新が間に合わなかったときの定番の言い訳にします。)

ところで先週の「今週のアルジャジーラ」で、「『今週のアルジャジーラ』を読んでる物好きはたぶん3人くらい」などと書いたら、「ちゃんと読んでます」という声を思いのほかたくさんいただいてしまった。これでは、「ぁたしもうTwitterやめる……」とやめるやめる詐欺をかまして不興をかう19歳の女子みたいではないか。申し訳ない。私は19歳ではなく29歳なので、カタール・ドーハにある本家アルジャジーラの名に恥じぬよう、今後も気高く更新をしていきたい。

というわけで、今週私が気になった記事はこちらだ。

Demobilising with the FARC's 18th Front

登場する国は「今週のアルジャジーラ」史上初となる南米で、コロンビア。いいなあ南米。私の中では(中)南米とは「ガチムチマッチョ」みたいな世界で、麻薬カルテルありーの、ヤノマミ・イゾラドありーの(※1)、治安最悪ーの、ガルシア=マルケスーの、みたいな感じで、ガキがいたずらに触っちゃ火傷するぜってなことになっている。と、冗談で言っているわけではなく、治安が本当に本当に良くないらしいので(とある日本人宿のオーナーが「これまでの旅の成功体験は、南米に来たらすべて忘れろ」と言っていた)、おいそれと一人旅を決心できる場所ではない。だけど、南米大陸をこの足で踏むまでは死ねないと思うくらいには、私は南米に対する憧れが強い。なんか、とにかくすげーイメージがあるので、すげー行ってみたい。と思うのであった(語彙が貧困)。

記事で話題になっているのは、FARC、コロンビア革命軍である。コロンビア革命軍とは、中南米最大の反政府武装組織で、左翼ゲリラだ。

今回の記事はぜひリンク先にとんでみてほしくて、アルジャジーラの記事ってたまに写真がめちゃくちゃいいやつがある。今回のがまさにそうで、私自身は写真が下手クソで才能が1ミリもないのだけど、アルジャジーラの記事の写真を見ていると、こういう写真が撮れたらカッコイイなあと思ってしまうことがある。

このコロンビア革命軍、少し調べてみたのだが、80年代半ば頃から麻薬密売組織と手を結び、コカインの密輸ルートを保護することで多額の軍資金を得てきたらしい。わー、『カルテル・ランド』(映画)の世界だ! と私はこういう話を聞くと大興奮である。

2016年6月、コロンビア革命軍とコロンビア政府は停戦で合意し、共同声明を発表したらしい。10月、和平合意の是非を問う国民投票の結果、反対が賛成を上回りこれが否決されることになったらしいが、11月に議会で批准された新しい協定を結ぶ。現在、国連への武器引き渡し、武装解除が着々と進んでいるところらしい。記事は、そんなふうにして武装解除が進むコロンビア革命軍の一コマ、といったところだろうか。

しかし、中南米の政府と麻薬カルテルと左翼ゲリラといえば、長年泥沼の戦いをしてきたはずである。武装解除が進んでいるとはいえ、どこかでもう一波乱ないとも言い切れない。コロンビア革命軍、少し注目して行方を追いたいものである。

それではまた来週。

(※1)私が今年いちばん感動した本について。:国分拓『ヤノマミ』



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