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【日記/36】面白い人は、面白い本を読んでいる。

知っている人からすれば「何を今更」という話なのだろうが、知らなかった人からすれば、それはいつだって新鮮だ。

最近の私は、高野秀行さんというノンフィクション作家にどハマりしている。30冊はあろうかという全著作を、この勢いにのってすべて読破しようかと思っているくらいだ。こんなに面白い本を書く人がいるなんて、恥ずかしながら知らなかった。ちなみに、高野さんのブログを私は今、10年前まで遡って最初から全部読んでいるところである。

しかし、ブログを遡って読んでいると意外だ。高野さんは長らく「増刷童貞」だったらしく、作家になってから何年も、何冊も本を出しても、まったく増刷がかからなかったらしい(10年前の話。今はバンバンかかっている)。はっきりいって、高野さんの本の面白さは初っ端から、デビュー作から常軌を逸している。それなのに、増刷が長らくかからなかったなんて、やっぱり世の中にはタイミングというか巡り合わせみたいなものがあるのだなあと思う。

それはそれとして、高野さんのブログで面白いのは、旅の話はもちろんそうなのだけど、それは著作でも読める。ブログならではの面白味というと、高野さんが年に1回やっている「今年読んだ面白本ベスト10」とか、書評系ではないだろうかと思う。

高野さんの紹介する本は、全部面白そうだ。ノンフィクションはもちろんのこと、小説も、いつもいつも面白そうな(というか、私の興味を引きそうな)紹介文を書いてくださる。高野さんのすごいところは、その破天荒な旅の様子はもちろんなのだけど、文章がおそろしいほど上手いのである。ユーモアと好奇心がキラキラと輝いている。天は二物を与えるというか、探検家としての才能と文筆の才能が、これ以上ないほどの相乗効果を発揮している。

それで、よく考えてみれば当然なのだけど、面白い本を書く人は面白い本を読んでいるのである。自分の食べたものが自分の体を作るように、自分の読んだものが自分の頭を作る。なので、私も面白い本をいっぱい読もうと思うのであった。が、この日記のなかで「面白い」という単語を使いすぎなことからわかるように、残念ながら私は語彙が乏しい。

ちなみに最近読んだなかで、いちばんツボった高野さんのブログ記事は以下である。海外のパソコンから打鍵しているのでローマ字になってしまうのはわかるのだが、それにしてもシュールである。「みなさんにご報告」とあるが、私もいつかこんな【ご報告】エントリーを書いてみたいものだ。

http://aisa.ne.jp/mbembe/archives/205




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