アルジャジーラ

【日記/63】今週のアルジャジーラ〔シリア〕

今週も金曜日に無事更新できた「今週のアルジャジーラ」。アラブ・イスラム世界に興味津々の私が、アルジャジーラが英語で報道した記事のなかからその週に気になったものを1つ取り上げて、グダグダと好きに語る。先週分はこちら。

というわけで、今週気になった記事はこれだ。悲惨な状況が伝えられる、シリアのアレッポの記事である。

Letter from Aleppo: 'My city is not just a death toll'

記事にあるように、シリアは2011年より内戦状態にある。きっかけとなったは、チュニジアから波及していった「アラブの春」だ。2010年12月17日、北アフリカのチュニジアで、一人の青年が生活に行き詰まり、抗議のため焼身自殺をする。すると、そのセンセーショナルな自殺の様子がfacebookやYouTubeに投稿され、青年と同じく失業率や貧困で苦しめられていた国民の不満に火を付けていった。チュニジアでは青年の焼身自殺に端を発しストライキやデモが次々に起こり、政権が崩壊。そして、ヨルダン、エジプト、リビアなど周辺諸国でも同様の動きが起こり、それがシリアにまで伝わっていく。もともと政情が不安定だったシリアは、これによって内戦状態へ突入していった。政府軍vs反政府軍の闘争の他、混乱に乗じたISILやクルド人勢力、打倒アサド政権を掲げたアメリカを始めとする多国籍軍もシリアを空爆し、事態は泥沼化していく。

この記事を書いた方は結婚されているらしいが、自身が包囲攻撃を受けるアレッポを離れられないのに対し、奥さんはシリアのまだ安全な田舎のほうに住み、別居しているという。

シリアと聞いて、おそらく大半の日本人の頭にまず浮かぶ都市は、首都のダマスカスとオリーブ石鹸で有名なアレッポだろう。そして、どうやら連日の報道によるとアレッポ(なかでも東部)は空爆が続きかなり大変な状況らしいが、それ以外の地域はいったいどんなかんじなんだろう? とも思う。

紛争地域や難民キャンプがある場所などは、事件があれば報道されるが、事件がなければその内情は伝えられない。だけど、紛争地域にも難民キャンプにも「日常」はあるはずで、ジャーナリストや報道カメラマンよりは作家や(報道系ではない)フォトグラファーがそれを伝えてくれたりする。

と、ここで見つけたのがアルジャジーラではないハフィントンポストのしかも日本語サイトなのだが、こんな記事があった。

戦場に暮らす優しい人々−シリアでの生活を、同国からの留学生に聞く

記者の「空爆などは怖くないの?」という質問に対し、この人は「もう5年も続いてるから。日本人が地震に慣れてるのと一緒で、こっちは爆発に慣れてる。落ち着けば遊びに行く」みたいなことをいっていて、あ〜本当にそういうかんじなんだろうな〜と思った。

イスラエルのエルサレムなども、しょっちゅう発砲事件があったりバスが爆発したりしているが、なんというか、現地の人は「慣れている」。いちいち怯えていたら生活できない。それはまさしく、地震大国に住んでいる我々が、日々の生活のなかでいちいち地震に怯えたりしていられないのと同じだ。

アレッポの状況は当然として、他の地域の情報や現地の人へのインタビューなどがもう少し読みたいなーと思った私であった。

参考:『「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命』重信メイ


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