エルサレムのイチゴ

【第38回】今週のアルジャジーラ〔サウジアラビア〕

1週すっ飛ばしましたが、何事もなかったかのようにしれっと更新します。 

ところで、最近なんか街がカボチャカボチャしてるなと思ったらもうすぐハロウィンなんですね! 「いくらなんでもカボチャはまだ早すぎ、浮かれすぎなんじゃねーの?」と斜に構えていたけれど、別に早すぎというほどでもなかった。私の脳内カレンダーが遅いだけだった。

というわけで、今週気になった記事はこちら。サウジアラビアの女性に、車の運転ができる許可が下りたというニュース。偶然だけど、先々週のチュニジアに引き続き「イスラム圏の女性の権利」系の話題である。

Saudi Arabia to allow women to drive
【第37回】今週のアルジャジーラ〔チュニジア〕

私が初めて「いわゆる」イスラム系の、全身を黒い衣服で覆い目元以外を隠している例のスタイルの女性を生身で見かけたのは、2013年のロンドンである。旅行で地下鉄に乗るなりバスに乗るなりして美術館だのオックスフォード大学だのに行って遊んでいたのだが、最終日に高級百貨店であるハロッズに行ったら、いたんですねこういう女性が。ブランド品をたっくさん抱えてらしたので、お金持ちなんだなあと思った。そして、こういった方々はきっと私のように地下鉄やバスに乗ったりせず、専用運転手がいるかタクシーで移動してるんだろうなと思った。しかし、見慣れないせいかあのスタイルの女性というのは、街中にいるとすごく目立つのだ。

その後また「いわゆる」イスラム系の女性を見たのは、昨年のモロッコとヨルダンとパレスチナ。特に印象的だったのはパレスチナの女性で、お土産屋の旦那さんの奥さんだった。旦那さんの店で買い物をしたら「これはオマケ。サービス!」とかいわれてブレスレットをもらったので、旦那さんはもちろん、私の前をすっと横切った奥さんにもお礼を言ったら、奥さんには無視されてしまった。「なんか悪いことしたかな?」と一瞬思ったのだが、敬虔なムスリムの女性は客前ではあまり愛想を良くしたりそもそも姿を現したりしないという習慣があるということをすぐに思い出し、あ〜この方はガチなほうのムスリムなんだなと思った。

今回の記事にあるサウジアラビアといえば、イスラム系の中のイスラムみたいな国家である。当然、女性に対してもいろいろな制約がキツイ国なんだろうなと予想はつく。しかし、今まで車の運転、できなかったのか……と思うと、少々愕然とする。

女性の車の運転を許可するに至った背景はいろいろあるようで、1つは外国人のタクシードライバーに流れ込むお金がかかりすぎでやばいので、それを堰き止めたかったという目的もあるらしい。なかなか現実的な背景である。

こういう経済的な理由も含めて、チュニジアもサウジアラビアも今後ますます女性の権利を拡大していかざるを得ないと思うが、しかし未だにサウジの女性は旅行などの際に父や兄や夫などの男性の許可がいるという。

ただ、あの目元以外をすべて黒い衣服で覆うスタイルは、砂漠地帯を旅してみるとわかるがなかなか理にかなっているんだよな。あのエリアで肌を出していたらひどい日焼けをしてしまうし、砂埃もすごいから髪がベタベタになる。私もペトラ遺跡を歩きながら、「ムスリム女性のあの格好、してえ〜〜」と思ったものだ。陽射しがやばくて。

というわけで、また再来週! 今年も残すところあと3ヶ月。


شكرا لك!