柿

【日記/68】今週のアルジャジーラ〔イラク〕

毎週金曜日になるべく更新している「今週のアルジャジーラ」。アルジャジーラが英語で配信しているニュースの中から、私がその週に気になったものを取り上げてぐだぐだ語る。先週分はこちら。ただし、今週取り上げるニュースと関連している記事として、先週分よりは先々週分を参照してもらったほうがいいかもしれない。

さて、今週アラブ・イスラム世界で話題になっていたことといえば……過激派組織ISILに占拠されているイラクの都市モスルを、イラク政府が奪還しようと作戦を進めているというニュースだろう。アルジャジーラでは、連日モスルの話題で持ちきりである。

Fight for Mosul rages as Iraqi forces push on

記事を読むと、イラク政府軍やクルド人民兵組織などが、モスル奪還のためにISILへの攻撃を開始しているらしい。中心部であるモスル以外に、ハムダニヤというモスルの南東にある村の地名も登場している。ISILの戦闘員がモスル周辺に逃れる可能性があるみたいだ。

しかし、このニュースをわざわざ英語で読まなくても、探せばNHKや日本語版CNNなどがちゃんと報じている。状況がわかりにくいときはこちらを見たほうが良さそうである。(わたし英語苦手なので)

イラク首相 モスル奪還作戦は順調と評価(NHK)
モスル奪還作戦にISISも準備 油井に火、トンネル網を整備(CNN)

ではこれをアルジャジーラで読む意味は何かというと、内容としてはだいたい同じなんだけど、アルジャジーラのほうが地名や団体名がかなり細かい。日本語の記事だとあくまで「クルド人組織」としか表記されていないものが、アルジャジーラだとちゃんと「ペシュメルガ」になっていたりする。日本語だと「モスル周辺地域」としか出てこないのが、アルジャジーラだとちゃんと「ハムダニヤ」と出てきたりだとかする。あと日本語サイトでもウォールストリートジャーナルはけっこう細かく書いているのでわかりやすい。

これが私には地味にかなり勉強になっていて、地名は、どこだかわからないので当然GoogleMapで検索することになる。で、実際に地図で見てみると「あ〜このへんなのね〜」という感じで、ニュースがぐっと身近になるのである。団体名も同じで、「クルド人組織」よりは固有名詞である「ペシュメルガ」のほうが脳にしっかりインプットされる感がある。

イラク軍とクルド人組織によるモスル奪還作戦は、17日、18日、19日と続き、その後のニュースはこれを書いている段階ではまだ入ってきていない。とりあえず、モスル奪還に成功したとしても、そこから逃れた戦闘員がどこに行くのか、住民は元どおりモスルで暮らせるのかなど、課題はなくならないようだ。

今回で7回目になる「今週のアルジャジーラ」なのだけど、初回はサウジアラビア、2回目はソマリア、3回目はイスラエル、4回目はシリア、5回目と今回がイラク、6回目はイエメンを扱った。イラクはモスルが話題になっていたので例外なのだけど、なるべく毎回国がかぶらないように、いろんな地域に触れられるようにニュースを選んでいる。地図を見て、いろんな地名を覚えるのが楽しいので、「今週のアルジャジーラ」は来週以降もまだまだ続く。


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