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No.14 撮影の「今」

かねてより製作中だった短編レポート「公的医療はどこへ行く」が完成しました。ほっと肩の荷が下りると同時に、いくつかの場面には後悔も残ります。集中力というか、「その場にいる緊張感」に欠けていたなあと思う反省点がいくつかあるのです。技術が進歩して、編集でいろいろ修正が効くことに慣れすぎていたかもしれません。もっと無心にならなければいけない。目の前の出来事とシンクロしなければなりません。

そんなふうにつらつら思っていたところ、「ストアカ」の教え子が構成原稿で「常に変化していくから”今”が愛おしい」と書いたんです。実に繊細な感性だし、真理だと思いました。というか、最近の私に欠けていたのは、まさにそういう意識だと気づかされました。

ワンオペ用の理論を組み立て、本まで書いている私です。企画制作に関しては、なんらかの問題点があっても、どうにか完成させるという「万能感」を持っています。まあ、だいたいは理論どおりに作れば作れるのですが、自分の作品については、なんだかつまらないなあ、と感じる場面もあります。作品形式にもよりますが、「必要だから撮る」というのではなく、「これは貴重だから撮りたい」と夢中になりたいのです。

懸案の題材がいくつかあって、次なる作品はまだ決まっていません。題材によってレポート形式でできるものもあれば、ドキュメンタリー形式でできるものもあります。手法は題材と撮影条件が決めるんです。でも、できれば自分自身の興味で突っ走るような場面を手にしたいと、なんとなく思う今日この頃です。

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