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キモシェアハウス漂流記第二十七話

キモシェアハウスに漂流してからもう10ヶ月が経った。

5月になり、もう水場にはコバエが大量発生している。

1月末に掃除した部屋は見事に汚さを取り戻し、部屋の臭さも帰ってきた。

1月末
この間

この通りだ。

この画像を見て改めてキモシェアハウスを綺麗に保つことの難しさを知った。

ミニマリストに中指を立てるような生活から俺達は離れることが出来ないのだ。

一度、サスペンダーズ古川さんはこの生活から抜け出そうとした。メンズトレーナージョージにすがった。

しかし、ジョージの言うことを聞けず、今実行していることと言えば冷水シャワーを浴びることだけだ。

この間冷水シャワーを浴びながら大絶叫をして、リビングに居るキモシェメンバーが古川さんが家に侵入した暴漢に襲われた!と思って皆で風呂場に行くと、照れ笑いした古川さんが

「冷水シャワー浴びながら嫌なことを思い出して吠えてしまった…」

と言った。

俺達は能面みたいな顔をして部屋に戻った。

木田は木田でダイエットをすると言っては大盛りの麺類をすすってビールを飲んで屁をこいている。

土岐は体に気を使ってにんにく料理を減らすみたいなことを言っていたが、この間部屋中がにんにくの中に入れられたかのようなどぎついにんにく料理を作っていた。

飯田さんは朝まで寝ない生活が続き、俺は相変わらず毎日金が無いと嘆いている。

そんなキモシェアハウスには最近怪奇現象も起きるようになった。

キモシェアハウスと言えば、汚いのにゴキブリが出ないことを強みにしていたのだが、去年ついにゴキブリが出てしまい、強みが無くなってしまったのだが、そこに追加で怪奇現象だ。

この家は一体どこまで酷くなれる。

キモシェアハウスに底は無いのか、もう怖い。

怪奇現象が起こり始めたのは吉本の後輩11月のリサのまむとピュートのポイントがやっている
「ふにゃ怖チャンネル」の撮影からだった。

俺と木田が怪談を披露して、木田の動画はなんとも無かったのだが、俺の動画がラップ音と音ズレが半端じゃなかった。

その日以降キモシェアハウスに変な音が鳴るようになり、飯田さんと木田は何か悪寒がすると言い出した。

木田は俺に向かって

「村田になんか絶対憑いてる気がする。」と、あんまり簡単に人に言ってはいけないことを俺の目をハッキリ見ながら言いやがったから、俺は木田の頭を掴んで目を閉じて何かを送っている仕草をすると木田は

「やめろぉお!!!」と、本気で怖がっていた。

ここまではまだかなりファニーな感じだったのだが、その夜笑えないぐらいのことが起こった。

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