上場企業であるボルシア・ドルトムントの決算/戦略を振り返る。マネーリーグでは、ドイツでバイエルン・ミュンヘンに次ぐ2位。
前回からのサッカークラブが株式上場を行ったクラブの解説をしています。サッカークラブが上場しているモデルは、ASローマ(Associazione Sportiva Roma)、SSラツィオ(Società Sportiva Lazio S.p.A.)等が世界的にあり、珍しいモデルではありません。
前回は、世界トップの収益構造を有していると評価されるマンチェスター・ユナイテッドの決算状況を解説しました。
今回は、ドイツ・ブンデスリーガに所属する「ボルシア・ドルトムント」について決算状況を解説していきます。
組織構造
ドイツ・ブンデスリーガに所属の「ボルシア・ドルトムント」を運営する企業は「Borussia Dortmund GmbH & Co.KGaA」といい、運営会社がドイツ証券取引所に株式上場をしています。株式上場を果たしたのは2000年10月であり、ドイツ証券取引所にサッカークラブとして初めて上場を行ったクラブでもあります。
そして、運営企業である「Borussia Dortmund GmbH & Co.KGaA」が配下にあるマーチャンダイズを行う子会社やイベント運営を行う子会社などを所有する組織構造となっています。
(「Borussia Dortmund GmbH & Co.KGaA」IR資料より、引用)
株価
そんな上場企業でもあるドルトムントの株価の推移は以下の通りです。
(Google検索結果より引用)
全体で言えば右肩上がりで、順調な決算内容に応じて企業価値が向上していることがわかります。中でも突出している2017年後半の株価推移などはサッカークラブ特有で面白い推移をしています。
リーガエスパニョーラに所属するバルセロナがブラジルのスター選手のネイマール放出で得た金額290億円の半数近くがドルトムントに流れるのではないかとの観測が流れたためです。バルセロナからすればスター選手が放出され、一方で多額の金額を得たことから、同金額を活用して他クラブからスター選手を獲得し補強することが求められています。その金額がドルトムント選手に充てられるのではないかとの観測です。
実際にこの時はフランス代表に召集されたこともある若き至宝でもあるウスマン・デンベレ選手が、ドルトムントからバルセロナに移籍されました。移籍金は前評判通り、ボーナスも含めて190億円にも相当する金額でした。
現在バルセロナでデンベレ選手は移籍騒動にもあいながら、開幕2試合で連続ゴールをあげるなど金額に見合う活躍をこれからあげようとされています。
決算概要
前回のマンUの記事で解説した通り、サッカークラブは3種類の収益基盤があります。少しだけおさらいいたしましょう。
・商業収入(Commercial revenue)
・放映権収入(Broadcasting revenue)
・入場料収入(Matchday revenue)
そしてマンチェスター・ユナイテッドの場合、48%が商業収入で、放映権収入が33%、入場料収入が19%という構成比でした。ドルトムントの場合、どのような収益構造になっているのでしょうか。
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・ドルトムントの収益構造
バイエルン・ミュンヘンに次ぐ収益を誇る理由
バルセロナ、レアル・マドリードを超える入場者数
それにもかかわらず、入場料収益が決して高くない理由
・ドルトムントのクラブ経営戦略
移籍金(Transfer deals)ビジネス
ウスマン・デンベレ選手の移籍金はボーナス含め190億円
その他のクラブ経営戦略
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