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栃木SCのスポーツビジネス-すべては栃木のために-

この記事の3行まとめ

・栃木SCのJ3売上高は3位。ただし・・・
・グッズ売上高はJ3でぶっちぎりの1位
・J3チームは昇格がビジネス的にみても最短でJ2強化を狙うべき

栃木のJ3売上高は3位。ただし・・・

栃木SCの売上高はJ3の中で3位の6.3億円を誇っています。J3平均が3.8億円からしてみても、優秀なビジネス成績と見て取れそうです。

(参照:Jリーグマネジメントカップ2016より引用

しかしながら、以下の売上高推移を見てみるとその見え方は変わります。

確かに6.3億円という営業収益=売上高はJ3の中で3位ですが、2015年からの推移を見れば決して順調な売上高推移とは見えません。2015年から右肩下がりの数字となっています。

それもそのはずで、栃木SCは2015年シーズンでJ3に降格し、2016年シーズンも惜しくもJ2入れ替え戦で敗退し、J2昇格を逃してしまいました。

J2からJ3に転落すれば、営業収益は減益となってしまう現実があります。逆にレノファ山口のように昇格することで好決算となる良い事例もあります。

減益でも黒字はキープ

それではこれだけの営業収益の減益となれば、最終赤字となっているのでしょうか。PLをみてみましょう。

営業収益の減少に合わせて、営業費用もダウンサイジングすることで、最終利益はギリギリ2百万円の黒字となっています。降格した際に経営チームはどのようにチームをコントロールするかの難しい判断が求められます。

J1やJ2のトップチームで活躍したい選手を手放してしまうことで結果的に営業費用が減少傾向になることもあれば、身を着る改革で泣く泣く優秀な選手を手放さなければならない現実もあります。栃木SCではGM、社長、監督が解任となり、選手もスターティングメンバーも含めた複数選手が退団または期限付き移籍となってしまいました。

営業費用をダウンサイジングして黒字を達成しても単純に戦力ダウンとなれば、再度J2に昇格することが難しくなり、スポーツビジネスのデフレスパイラルになってしまいます。そのため、主力が移籍しながらも、再度J2に昇格できるようなチームバランスをキープしなければなりません。

2017年シーズンは、SVホルンからの獲得や大宮から外国人選手を獲得するなど、幅広い補強もあり、結果として現在J3首位を走っております。

グッズ売上高ダントツトップの栃木

また、J3に降格しながらもスポーツ経営が色濃く反映される指標がいくつかあります。まずは、以下のグッズ関連利益が参考になります。

(参照:Jリーグマネジメントカップ2016より引用

J3の平均売上高が700万円ながらも、栃木SCは2500万円とぶっちぎちの首位となっています。入場者による客単価自体もJ3のうち3位を誇り、単に安売りして入場者数をキープするだけでない経営努力が垣間見れます。

その他の評価すべき経営努力

J2以下のクラブチームがどこも抱えているスタジアム問題を栃木SCも抱えています。J2基準、J1基準のスタジアム基準があり、地方のチームはこの基準を満たしていない場合があるからです。

具体的には、スタジアムの屋根とトイレの数の問題です。サポーターが観戦するのに適したカスタマーサクセス部分にも繋がり、適切に対処すべき問題です。結果として移転や改修も踏まえた検討をしているようです。

このスタジアム問題は以下のサンフレッチェ広島のような根深く、面白い事例もあるため参考にすべきです。

200万人の人口を誇る栃木県であり、隣接都市からの集客も見込めることを考えれば期待値も高いクラブだと思いますので、このスタジアム問題は行政と協力してうまく運んでいって欲しいと心から考えます。

栃木SC経営陣の奮闘に今後も期待しています。
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