「つくって終わり」にしないためにできること

昔は「つくって終わり」のお仕事がたまにありました。特に請負をしていたころなんかは、「つくって終わり」ばかり。

自分のつくったもの、心を込めたつくったものが、どういう風に世に出たのか、どういう風に受け止められて、どういう風に人を動かしたのか。そういうことを知ることができないままのお仕事です。

一昨年くらいから、僕は「つくって終わり」の仕事がすっかり面白くなくなって、請負はしないようになりました。そして、クライアントの顔が見えない仕事もしなくなりました。そのかわり、売上が少しばかり落ちてしまったのは秘密です。

僕が関わるクライアントは、中小企業から個人経営まで幅広く、社会福祉法人や行政からもお仕事をいただきます。予算が潤沢にあるケースは少なく、プランニングでさまざまな工夫をしながら、いろいろなお手伝いをしています。

そういった取り組みのなかで、痛切に感じているのは、「つくって終わり」はときに「つくった」意味さえも無くしてしまうということです。

あらゆる制作物は、たいていの場合、クライアントにとって「道具」のようなもの。使い方までお伝えしてはじめて仕事は完了です。使い方を間違ってしまうと、あるいは使い方を知らないまま放置してしまうと、逆効果だったり、なまもの同様に腐ってしまったりします。

とくに、オウンドメディアやECサイトの運営、プロモーションの企画では、立ち上げよりも事後の方が大切です。

効果測定はどうするのか、次の取り組みのために今できることは何か、効果を持続させるために何ができるか。プロジェクトに関わっている人のモチベーションを維持するためにはどうすればよいか。

続けないと意味がないことが多いんです。だから、クライアントとは継続的な関係を自然に築けることが理想です。クライアントの仕事や考え方、組織の風土や価値観を理解して、一緒に四ツに組んで取り組まないといけない。

クライアントとエンドユーザーがコミュニケーションする場をつくる場合なんかは顕著です。コミュニケーションが発生したあと、どのように関係を築いていくのか、属人的な解決方法でも、仕組みづくりでも、どんな形でも良いので、コミュニケーションを単発で終わらせない、つないでいくこと。

そして、そういったクライアントの現場でのコミュニケーションを支えるのは、他ならぬ僕たちクリエイティブとクライアントのコミュニケーションです。

たとえば、オウンドメディアを立ち上げたなら、PVをどう上げるか。CVRをどう上げるか。そんな話に終始しがちですが、大企業ならともかく、小規模の組織の場合は、まずは継続できる体制を組織内に整えることが一番むずかしいことです。継続性という前提があって、はじめてPVの話になります。

イベントや展示会も同じ。実施後のフォローや関係づくりが大切ですし、それを続けないと、どんどん効果は薄れていってしまう。

継続性を生むためには、組織内のモチベーション。
モチベーションを生むためには、ミッションへの理解と共感。
ミッションへの理解と共感を得るためには、ミッションを一緒につくること。

だから、「つくって終わり」の仕事にしないことの第一歩は、クリエイティブにいかにクライアントを巻き込むか、一緒に取り組むか、コミュニケーションを徹底するか、に尽きると思うのです。

精神論みたいに聞こえるかもしれませんが、これって結構こまやかな行動からはじまるんだと思っています。

ちょっとしたメールの文章だったり、打ち合わせのコミュニケーションだったり、そういうところから、「つくっただけ」で終わらせない仕事は始まっているのだ、と偉そうに書いてみました。

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高木 大吾

がっつり

コンテンツマーケティングやオウンドメディア運営、クリエティブディレクションやワークスタイルについて。
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