「ウミガメのスープの作り方」2019年10月11日の日記

品田遊（ダ・ヴィンチ・恐山）

2019年10月12日 02:12

・動画に出ています。見どころは、手先の器用さ。

・ウミガメのスープ（はいかいいえで答えられる質問をして、ミステリーの謎を解くゲーム）をやっているネットコミュニティがあったので、少し考えて作った問題を出して遊んでみた。ここにも載せます。

問題
男は職場で忘れ物をしたことに気がついた。
翌日、試合を直前に控えたスポーツ選手が無残な姿で死んでいた。
間を埋める物語を補完してください。

・この問題は、これを読んだだけでは解けない（たぶん）。質問をしながらシチュエーションを絞り込んでいくのだ。ここでは自分で質問を出しながら答えまで行ってみる。重要な応答は太字にします。

男とスポーツ選手は同一人物？　→　NO

男とスポーツ選手は面識がある？　→　YES

男が忘れ物をしていなければスポーツ選手は死ななかった？　→　YES

選手がやっているスポーツの種類は重要？　→　NO

スポーツ選手はプロ？　→　YES

スポーツ選手は殺された？　→　YES

殺されたときの様子は猟奇的？　→　YES

スポーツ選手は恨まれていた？　→　NO

スポーツ選手の性別は男？　→　無関係

スポーツ選手を殺したのは忘れ物をした男？　→　YES

男はスポーツ選手に秘密を知られた？　→　NO

男の職業はスポーツ選手の活動に関係する？　→　YES

スポーツ選手は忘れ物を持っていた？　→　YES

男はスポーツ選手から忘れ物を取り返した？　→　YES

凶器は忘れ物？　→　NO

男は殺人を楽しんでいた？　→　NO

男の職業は選手のコーチ？　→　NO

スポーツ選手が殺された場所は男の職場？　→　NO

男の職業は重要？　→　YES

スポーツ選手は忘れ物を盗んだ？　→　NO

忘れ物は大きい？　→　NO

スポーツ選手は人気がある？　→　YES

選手の金銭が目的での殺人？　→　NO

忘れ物を取り返すには殺す必要があった？　→YES

選手は忘れ物を返したくなかった？　→　NO

忘れ物はスポーツ選手の体内にあった？　→　YES

ドーピングが関係する？　→　NO

スポーツ選手は病気だった？　→　YES

男の職業は医者？　→　YES

男は手術中になにかを選手の体内に忘れた？　→　YES

忘れたものはメス？　→　YES

医療ミスの発覚を恐れての犯行？　→　YES

試合をする前に殺さなければならなかった？　→　YES

試合中にメスが体内に刺さる可能性を恐れた？　→　YES

再手術して取り出すことはできた？　→　YES

試合は重要なものだった？　→　YES

・という感じで、これでほぼ答えにたどり着いた。予め用意していた真相は以下。

問題
男は職場で忘れ物をしたことに気がついた。
翌日、試合を控えたスポーツ選手が無残な姿で死んでいた。
間を埋める物語を補完してください。

答え
男は、出世を望む外科医である。彼は先日、人気スポーツ選手の難しい腫瘍摘出手術を担当した。

執刀は無事に終わった。救った患者は人気者。これで私はまたキャリアを積み上げることができた……。
数日して、男は青ざめた。メスが一本足りない。スポーツ選手の体内にメスを忘れたまま縫合してしまったのだ。

まだメスは体に傷をつけていないようだが、激しい運動をすればいずれ体内を切り裂くかもしれない。よりによって、翌日は選手の復帰後初試合。彼の戦績を左右する重要な戦いであり、全国が彼の勝負に注目している。

万が一、試合中に倒れれば、男は重大な責任を問われることになるだろう。医療ミスを認めて緊急再手術を施せば選手の命は助かるが、翌日の試合には出られなくなる。どちらにしろ、医師の責任は厳しく追求され、キャリアを失うことになるだろう。

そうだ、そうなるくらいなら……。

男はスポーツ選手の自宅に向かい、帰宅中の選手を物陰に誘導して殺害した。もみ合いになったが、なんとか息の根を止めることができた。腹を割いてメスを回収する。異常殺人者による犯行に見せかけるため、死体は念入りに破損させておいた。腹の中に忘れられていたメスのことは自分しか知らない。誰も動機まではたどり着けないだろう。

こうして彼は「忘れ物」を取り戻した。

しかし数日後、男はあっけなく逮捕される。もみ合いになったとき、服のボタンを落としていたのだった。

「あのとき、忘れ物さえしなければ……」

男は獄中で今も悔やんでいるという。