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バランスが求められる時代になってきた

BASE FOODを知っているだろうか。たまたま創業者の方のインタビューを読んだのだけど、その内容がとても考えさせられるものだった。

BASE FOODとは何ぞや

そもそもBASE FOODとは何ぞやという話なのだけど、BASE FOODは1日に必要な栄養素が全て摂取できる、「完全食」と呼ばれる新しいジャンルで勝負している。

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」にのっとり、「完全食」は1日に必要な栄養素を全て含んでいる。理論上はそれを食べるだけで十分。

具体的には、1食で1日に必要な全ての栄養素の3分の1の分量を摂取できるため、毎日3回、完全食を食べれば、それだけで必須栄養素を全て摂取することができるということ。(味にもとてもこだわっているらしかった。今度頼んでみようと思う)

(完全食の)既存サービスがドリンクで展開しているのに対し、BASE FOODはパンやパスタなどの「主食を通じて」完全食を提供する。

栄養バランスの歴史

このインタビューの中では、栄養バランスの歴史についても言及されており、それがとても面白かったのでシェアしたい。

話は戦後の時代にさかのぼります。終戦直後、まだ日本が貧しかった頃、食べ物は十分にありませんでした。
誰もがお腹をすかせており、とにかく生きるために必要なエネルギー、つまりカロリーの摂取が重要視されました。
そしてカロリーを簡単に摂取できるのが、炭水化物です。その結果、炭水化物中心のカロリー信仰が生まれました。
さらにしばらくして、ハンバーガーやコーラなどのファーストフードが日本に入ってきました。
まだ「旨味」や「甘味」が貴重だった時代、日本人はファーストフードのとりこになりました。
その先に待っていたのが生活習慣病です。カロリー重視の食事とファーストフード生活によって栄養が偏り、肥満が増えました。
気がつけばカロリー不足で困っていた時代が嘘のように、今やカロリー過多に困っています。私はその時代の流れを、完全食というジャンルで、一気に変えたいと思っています。

バランスが求められる時代になってきた

BASE FOODはカロリー(旨味や甘味)と栄養のバランスの偏りを課題として捉えているけれど、同じように(歴史と共に)バランスを崩してきたジャンルは他にも多いのではないだろうか。

柳井さんの「経営者になるためのノート」を愛読している自分としては、経営も歴史とともに「偏りが生じてきた」ように思う。

それが何の偏りかというと、「 coolとwarmのバランス」だと考えている。(これはイギリスの経済学者 アルフレッド・マーシャルの言葉"cool head but warm heart"から引用している)

日本は終戦直後、焼け野原からスタートした。貧しく、食べ物も満足にないところから国民全体が団結し、coolに偏った結果、「世界二位の経済大国」にまでのし上がった。

でも豊かになった今もまだcoolに偏り続けている。そのしわ寄せとして、今の日本は(上述した内容でいうところの)肥満や生活習慣病状態になっているのではないだろうか。(なんていうか、方向性を見失っている経営者やリーダーが多い印象を受ける)

その反動からか、少しずつwarmに偏りはじめてきているように感じる。(エモい文章を書く経営者、リーダーが増えているのは、こんな背景からだと思う)

でも僕が懸念しているのは、いつの時代も「バランスを保つことは難しかった」ということ。次に来るのは「warmへの偏り過ぎ」なのではないかと思う。

完全食ではないけれど、経営も(coolとwarmのバランスが取れた)「完全経営」が求められる時代になっていくのではないだろうか。

寄付サービスを運営する上で大切にしたいこと

かくいう僕も寄付サービスを運営する上でこのバランス感覚はとても大切だと思っている。

非営利分野で仕事をすると、ついwarmに偏りがちになってしまう気がする。だからこそ、coolな経営を強く意識しないといけないと考えている。

これらのバランスを崩さぬよう、毎日振り返ることを忘れず、自戒しながらも、頑張りたい。


今日は最後に、僕が大好きな二宮尊徳の言葉で締めたいと思う。


道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である

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