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カレーが繋ぐげんきのバトン

ニュースで奈良県橿原市にあるカレー屋さんが特集されていた。その取り組みに色々考えさせられたので、今日はそのことについて書いていこうと思う。

わかりやすさは価値

奈良県橿原市にある「げんきカレー」では、自分の食べた代金にプラス200円払うと、みらいチケットが1枚手渡されます。

客「みらいチケット3枚(買います)」

店主「えっ!?いいんですか、ありがとうございます!」

購入したチケットはボードに貼っていきます。チケットのそばには「楽しく食べて」「残さず食べてねー」など使う人へのコメントも。このチケットを使えば、げんきカレーが無料で食べられます。

子どもたち「げんきカレーください」

店主「はい、ありがとう!」

利用者の多くは子どもたちです。

子どもたち「おいしい!」「うまい、うまい」

みらいチケットを購入した客「来たときに(自分のチケットが)なくなっていたら、誰か使ってくれていて、すごくうれしく感じるので。それでまた買って、貼っておきたいなと思いますね」

げんきカレーのような「食を通じた支援」というと、子ども食堂未来食堂等を思う浮かべる人も多いと思うけれど、このげんきカレーのように多様な支援方法が増えていくことは、とても良いことだと思う。

僕は子ども支援活動をする上で最優先すべきは「子供たちの尊厳」だと考えている。でも同時に「支援方法に多様性があること」もとても大切なことだと思う。「支援に対して何を感じるか」は子どもたちな訳で、そんな子どもたちが「多様の支援方法の中から、自分にあったものを選ぶことができる社会」を目指していくことは、理想のように思う。

僕がげんきカレーを良いと思ったのは「支援の仕組みのわかりやすさ」だった。「わかりやすさ」は支援に参加するハードルを下げてくれるし、裾野を広げるのを助けてくれる。(チケットの安さも支援の参加ハードルを下げているように思うし、とても良い価格設定だと思った。)

日常生活の中で普段行われている「食事という手段」は、社会的活動にとても適していると思う。

デザインには映らない想いの強さ

げんきカレーが気になってお店のサイトをのぞいて見ると、とても温かみがあって良かった。

貧困の連鎖を食い止める「貧困対策」は行政の役目。
しかし、地域で出来る事は地域の助け合いで!
200円カレーを提供するにあたり、多くの企業様や農家、お客様のご支援を頂いております。
多くの助け合いの気持ちで、少しでも地域に貢献でき、行政や地域の皆様に働きかけにより大きな規模の活動となることを目標に、今後も多くのご協力を頂きながら進めて行ければと思います。また、昔ながらの「駄菓子屋」の延長のような場所として、多くの皆様の交流や憩いの場所となることを目指して頑張ります!

大変失礼ながらサイトは少し古いタイプのデザインのように感じた。UX/UIが重要視されている今、少し時代錯誤かもしれないと。

でも、僕は逆にそれがとても良いと思った。このサイトはこの取り組みをはじめた方の「人となりがわかるようなサイト」に映ったからだ。この方は、もしかしたらそこまでデジタルに精通していないのかもしれない。でも、このサイトに書かれたメッセージは、「心を込めて考えられたもの」だということがこちらに伝わってくるし、その内容もとても共感できるものだった。

「やらない善よりやる偽善」というけれど、一部の「賢いけれど何もせずに冷笑、嘲笑している人」よりも、こうやって実際に「課題意識を持って活動している人」の方が何倍もかっこいいと思う。

僕はこのサイトが好きだ。

課題先進国だからこそ見れる名場面がある

日本は課題先進国なんて呼ばれている。少子高齢化に経済の停滞、公的債務。前例のない課題を多く抱える日本のことをつい悲観的に捉えてしまいがちだ。でもこういう「逆境だからこそ見れる名場面」というものが、きっとあるのだと思う。今回紹介させていただいた「げんきカレーの取り組み、サイト」は今のような時代背景だからこそ、生まれたものではないだろうか。

今は「みんなを不安にさせるような出来事」が多く生まれる時代だと思うけれど、同時にこのげんきカレーのような「希望を感じさせてくれる名場面」も、きっとたくさん生まれるのだと僕は信じている。上がり下がりのない平坦な物語に名場面が生まれずらいのと同じことだ。

だから、僕もワンシーンでいいから、この国で、この世界で、「この時代背景だからこそ、見せることができる名場面」を作りたいと心から思った。







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