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[1章7項]良い仕事をするのに近道などない

先週に続き、今日は第一章「変革する力」の第七項について読んでいきたいと思う。

第七項 上を目指して学び続ける

学びに貪欲となれ
変化は激しく、変革は果てしないものです。自問自答して常に内省し続けないと、会社はすぐに社会に通用しなくなります。
そして、もう一つ。社会に通用し続けるためには、自分を成長させ続けなくてはなりません。そのためには、やはり学び続けることが大切なこととなります。
その時大切な心構えが二つあります。
上には上がいると思うこと
そして、
世の中には、今までに起きてないことはないと思うこと

それには、「我々は、生産なら生産、マーケティングならマーケティングで、世界で本当に優れた会社にひけをとらない経営をするのだ」という意識をまず持つところから始まります。
その意識を持って、毎日、
「ひょっとしたら今自分がやっている方法以上にいい方法があるのではないか」
「自分が今やっていることを飛躍的に成功させるヒントみたいなものがどこかにあるのではないか」
と考えるのです。

そして、考えるだけでなく、我々がやろうとしていることに関しては、必ずとこかの会社の誰かがゃっているはずですから、そういった人たちと話をしたり、そういった人たちが書いた本を読んだり、実際に見にいく、使ってみたりするということが大切です。

それによって、いったいどういうことを考えて、どういうことをやっているのかということを徹底的に調べるのです。
そうすると、この人たちはこういう考えで、こういうことをやったんだなということがよく分かって、自分がやるうえでものすごく参考になります。

ですから、私の場合、本でいうと、学者が書いた本よりも、経営者が実際に経営をして、こういうことだったみたいな本を好んで読みます。そうした実行の疑似体験や考え方の疑似体験のようなことは、たくさんやらないといけないと思います。

また、本ではなくて直接話を聞きたいと思った時も、「コネクションがない」とか「こんなことを聞いても教えてくれないのではないか」などと言ってためらったり、恥じらったりする必要はないと思います。それは言い訳であって、行動に移せないとしたら、危機感や成長したいという思いが足りないのだと思います。

本当に成長したいと思うのであれば、バンパン電話するなどして、どんどん聞きにいくことをすればいいのです。
それで、「自分はこういうことを考えていて、こうやっていますが、お宅の会社はどうなのでしょうか。情報父換をしませんか」ということであれば、結構話に乗ってきてくれると思います。

経営者は、実行に活かしてこそ、学びの意義がある
次に学び方の話をします。
経営者としての本当の学習は、知識や情報を、
自分のことに置き換えて考えてみること
そして、
実践してみること
この二つがなければ、意味がありません。

みなさんは、経営者になるため、経営者として成果を出すために学習をするわけです。だから、単なる「お勉強」で終わっていたり、学者のように知識をたくさん溜めることに意味はないのです。
実行に結びつけないと意味がない、そして実行を通じてまた学ぶ、このサイクルになっていないと、経営者としての学習になっていないということです。

実行に結びつけるためには、その知識を本当に自分のものにしなければなりません。
そのためには、例えば本を読む時も「あっ、こういう考え方があるんだな」とか「この考え方もいいな」と思うだけで本を閉じてしまうような読み方ではだめだということです。

「ここに書いてあることは、自分だったらどう考えるか」
「自分の会社だったら、どういうことにあたるのか」
「自分の会社だったら、どのように実行ができるか」
などというように、常に対話をしながら読むようにするということです。
これは、講義を聞く、人の話を聞く、見学をするなど全ての場面に共通します。

そして、自分のことに置き換えることができたら、実際に実行に移してみることが肝心です。その結果、できたのか、できていないのか、自分で厳しく評価をする。
できていないとしたら、その原因を考えて、また実行する。これを税り返し、本当に自分のものになるまでやっていく。実践家にとっての正しい学び方というのこれしかないと思います。

自分に力をつけて、本物の情報が入るようにする
軽営者として成果を出していくためには、学びとなる「情報の質」を高めていけるようにすることが肝心です。情報は人がもたらします。ですから、本物の人と情報交換ができるようになることが大切だということです。
世の中、本当の情報を持っていたり、本当に優れた人というのは、それぞれの業界で数えるほどしかいないと思っています。

例えばスポーツカーのデザインをする人といった場合、本当に優れた人は全世界にそれほど多くいないと思うのです。それと同じことで、生産技術のこと、マーチャンダイジングのこと、情報システムのこと、あるいは人事のことなど、本当に優れた人はそれほど多くいないと思います。
そういう人たちだけが、本当に先端の情報を持っています。
ですから、いかにそういう人たちに早く行きあたるかといったことを考えて仕事をしないといけません。

そして、その時に最も重要なことは、そういう人たちに行きあたった時に、しっかりと対話ができる力を自分が身につけておかなくてはいけないということです。

自分がその人に与えるものの量が少ないと、本当の対話になりません。当然のことですが、本物の人たちが、時間を割いて、しかも本質的な話をしてくれるかというと、全然何もない人に対して、それはありえません。
だから、相手に与えられるものとか、相手が反対に自目分に聞けるようなものを、自分にいかに蓄積するか、といったことがないといけないということです。

つまり、結局は、自分に力をつけるということが、本物の情報を手にするためには必要なのです。
そのために大切なことの一つは、やはり、貧欲に学び、本物の人と話ができるだけの知見を持つ努力を重ねることです。
私は、今も続けていますが、若い頃から三十年以上、毎日、本や業界誌を読んだり、いろいろな人に会って話を聞くことをやってきました。

だから、業界の情報や、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国などの国の、どこの専門店や百貨店や量販店が、こういう状況でこうだということを、誰よりもよく知っていると思います。
非常に基本的なことですが、こういったことも大事で、五年継続してやっていけば、世の中の本物の人たちに会った時に、本質的な話ができるのではないかと思います。

二つ目は、やはり仕事を一所懸命にやり、実績をあげるということに尽きます。私も、若い頃は、世の中の一本物の経営者のような人たちの話を聞こうとしても、あるいは一緒に話をしても、相手が私のことを信用していないので、軽く扱われておしまいでした。
しかし、実績が出てくると、こちらの話をそうですねと聞いてくれて、それから、自分としては本心ではこう思うのですよと話をしてもらえるようになりました。

相手からも、あいつは力になってもらえる存在だと認められるようになること。そこから、本物の人とのネットワークが広がり、これがまた、学びにつながっていくという好循環が生まれるのだと思います。

現状に甘んじてはいけない

その時大切な心構えが二つあります。
上には上がいると思うこと
そして、
世の中には、今までに起きてないことはないと思うこと

僕は気づくと「半径5m程度」を見て、自分の目指すべきスキルや努力量を決めてしまっているように思う。結果易きに流れ、現状に甘んじているのだと思う。茹でガエル状態とでもいうのだろうか。そうなると「上には上がいる」という当たり前の事実が頭から抜け落ちてしまうことになる。無自覚にそういった状態に陥ることはとても恐ろしい。

また新しいアイデアを思いついた時についても同様に「自分に甘い考え」を持ってしまっている。そのアイデアについて「自分以外、誰も思いついていないに違いない」と考えてしまうのだ。これも自分を気づかずに(実態よりも)高く見積もってしまっている結果なのだと思う。

例えば自分が事業アイデアを考えたとして、その内容が唯一無二だと「思い込み」、競合調査を怠って、仕組み化に着手してしまったらもう目も当てられない。そうではなく「既に同じことを考えている人はいる」という前提で仕事を進めれば、競合との差別化を意識することができるし、仮に早期に競合を見つけられれば、KPIをずらすことで、(仮にそれが後発だとしても)十分に戦える可能性だってある。

上述の問題はいずれも「自分に対する甘さから生じるもの」だと思う。現状に甘んじることなく、大切な心構えとしてこの二つの言葉を胸に刻みたいと思った。

軸を持って学ぶこと

経営者としての本当の学習は、知識や情報を、
自分のことに置き換えて考えてみること
そして、
実践してみること
この二つがなければ、意味がありません。

これは読書で考えるとわかりやすいと思う。僕は本を「流行っているから」とか「みんなに勧められたから」といった理由だけでつい読んでしまうことが多い。でも大まかな目的を持たずに読書をしても、成長につなげることはあまりないように思う。

じゃあどうすべきかという話なのだけど、「具体的な軸となりうるものを持つ」と良いと考えた。例えば自分の場合だと、運営している寄付サービスを軸として、本の内容を「どのように応用するか」、「どのようにフィードバックするか」を考えながら読むことで、有益なインプットが得られる。またそれだけでなく、具体的なアウトプットを意識すること、読んだ後の具体的な行動に結びつけるよう読書することが大切だと思う。

僕はつい面倒臭がって、アウトプットや行動に結びつけることを怠ってしまうから、これは本当に自戒しないといけない。(中身のない読書をするくらいなら、その時間に仕事した方が価値がある)

勉強するときは軸を明確にすること、軸を基点としながら学ぶことを意識したい。

人と会う習慣をつくる

そのために大切なことの一つは、やはり、貧欲に学び、本物の人と話ができるだけの知見を持つ努力を重ねることです。
私は、今も続けていますが、若い頃から三十年以上、毎日、本や業界誌を読んだり、いろいろな人に会って話を聞くことをやってきました。

僕は毎日、本や業界紙を読んでいるけれど「人と会って話を聞く」ということは疎かにしてしまっているように感じた。僕はどうもネットワーキングという言葉だったり、人脈という言葉に拒否反応を起こしてしまうのだけど、おそらくそれに引っ張られて、人と会うことの優先順位を下げてしまっているのだと思った。

一緒に何かをやる訳でもない人と無駄に出会い、「頑張りましょう!」なんて言いながら、お互いのテンションを上げあうだけの会に参加しても、そのことに意義を全く感じられない。そういう出会いの場って意外に多くて、至る所で開催されたりしている。その時にテンションを上げて、根拠のない全能感を味わう分には楽しいけれど、その場限りのコミュニケーションにはあまり価値はないと思う。

結局何かを成し遂げるには「地味でつまらないことを粛々とやり続けるほかない」と考えているから、僕は人と会うことをつい後回しにしてしまっていたのだと思う。

もちろんこの本で語られていることは「会うべき人に会う必要性」を説いている訳で、上述の「不安を解消したい人たち同士が会う」こととは全くの別物だ。

ただ僕は今このnoteを書きながら「なぜ自分が人に会うことを疎かにしてしまっていたのか」の理由を突き止めた気がした。それは思いもよらない理由だったけれど、そんな理由で無意識に「成長を止めていた」のだと考えるととても勿体無いことをしていたと思う。

今後は寄付サービスを運営する上で自分が会いたい人はどういった人か、そしてその人たちに自分がGiveできることは何かを考え、実践していこうと思う。

良い仕事をするのに近道などない

僕はこの本を読みながら「良い仕事をするのに近道などはない」という当たり前のことを何度も思い出させてもらってる。それくらい僕は「本質を日々の生活の中に埋没させてしまっている」のだと思う。(どうしようもない性格だと我ながら呆れてしまうけれど。)

そういった本質が大切だということは、自分の心が一番よくわかっている。でも弱さ故、それらを見て見ぬふりし、遠ざけてしまっているように思う。だから僕にとってこの本を読むということは「無意識に遠ざけた本質を見つめ直す」ということなのかもしれない。

虚心坦懐に生きるには、自分と向き合い続けることから逃れられない。自分の弱さを知ること、そしてやると決めたらそこから逃げずに、本質に立ち向かう努力をし続けることが大切なのだと思う。

自分の心を動かす「本物の言葉」を自分なりに噛み砕きながら、実践を通じ、その言葉の「本当の意味」を知るためにも、止まらずに進み続けたい。

今週も頑張ろう。

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この本は経営者の方だけでなく、サラリーマンや個人事業主の方、NPOやボランティアなど様々な組織で働いている人にとって、とても学びの多い良書だと思います。内容はnoteでも紹介していきますが、一部のみのピックアップとなりますので、内容に興味を持たれた方は是非ご購入いただき、自分だけのノートに仕上げていただければと思います。

また本には振り返りのためのセルフワークシートも含まれています。日々の振り返りを行いたい、自戒することを習慣化したいと考えている方にも、とても価値のある内容だと思います。

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この「経営者になるためのnote」は毎週日曜日に書いています。過去に書いたものは全てマガジンに纏めているので、宜しければそちらもご覧ください。


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