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文字で読めるラップ

こんばんは。
ラッパーの日高大地です。

noteの方全然更新してなかったのですが、久しぶりに文字に起こしたい事があったので今書いてます。

ヒップホップ・日本語ラップは昔からずっとですが、再生数が伸びてきたアーティストには
"ノリが良いだけで中身がない"
というコメントが徐々に書かれてるのを目にします。

僕自身は正直、
「歌詞7:音3」
くらいの割合で日頃音楽を聞いてるので歌詞に内容がない歌はあまり聞かないのですが、
人によってはその比率が逆の人も沢山いるだろうし、海外のヒップホップを聴いてる日本人の多数の人が、
英語の意味はあまり分からないけど聞いてる、
という方になると思います。

なので日本語ラップで歌詞に中身がなくて音としてのリズム・ノリが良い、という曲があっても全然OKだと自分は思ってます。

まあしかし、自分はそういう曲は作らずに、歌詞を強く太く書いていき、文字で読んでも
「ああ、これはいい詩だ」
と思ってもらえるものを作りたいと思ってます。

なので今回は、まだ世には出ていないのですが
1年ほど前に書いた歌詞をここに文字だけで残してみようと思います。

この歌詞を文字で読む事で自分自身も当時の状況だったり心境が思い出せるし、
これを読んでくれた皆さんが各々で日高大地の気持ちを汲み取って、音源が世に出た際にはまた違った解釈で2段階で楽しんでくれれば良いかなと思ってます。

1年ほど前、関東に住んでた頃に10代を振り返って書いた歌詞です。


日高大地
「自称ラッパー」

なぁ、俺がこいつで世界を変えてやるぜ
馬鹿じゃねぇかって? あぁ、馬鹿かもな
けど、馬鹿じゃねぇとラップなんてやってらんねぇよ
そう言って始まった。
この話は田舎に住む、1人の自称ラッパー
10代最後の葛藤

聞いてくれ

月収手取り11万 高卒就職
毎朝箱を開けて弁当を仕込む
1人の生活にもやっと慣れてきた
きっともう地元で働いて死ぬだけだ
本当は気付いてるこのままじゃダメだ
俺のなりたかった大人って本当にこれか?
人として生きる事に全てを使って
思い知ったんだよタイムイズマネー
かけがけない瞬間は帰ってはこない
ほらまた、夕陽が落ちる。メッキ剥がれる
命尽きるまで突っ切るのが定め
そんな事も忘れている馬鹿で
日が高く登り、照らされた大地
俺は名前に恥じない生き方をしたい
エッジの聞いた先輩見てる背中
地元のクラブ、更に全国へ手形を残す

手堅く安定に走った友達
公務員ってのも楽じゃないらしい
俺も似たようなもん 高鍋の社会人
毎朝 6:00起き 17:00時 退勤
なあ、お前はそれでいいのか
ふとした瞬間、自問自答の連鎖
世界への恨みが今たった一つ浮かんだ
俺の夢を邪魔する俺を殺してくれよ
結局金がないと人は生きてはいけない
ここにいるみんなもきっと仕事が筆頭
ヒット曲の一つでも有ればちっとは変わった
1番知られてるのも友達の歌
俺のことなんて誰1人知らない
ネガティヴが産んだIF ハマらないピース
日高大地ってラッパーが宮崎にいるらしい
未だ麓だけの栄光の架橋

もう一度、向き合うヒップホップ
捨て去った地元での安定
俺はこいつで世界を変えてやるぜ
そう言って再び歩き出した
隣には2人の仲間
これは都会に乗り込んだ3人の自称アーティスト20代前半の頃の話 yeah

月収手取り13万 
自称アーティストのフリーター
誰しもが知ってる俺のフリースタイル
果たしてそれは幸か不幸か
東京にはきたものの、対して変わんない
チャンスはそこら中には落ちてはいない
微々たる違いだ 全てがありのまま
自然体で居ることの美しさを知った
標準語が飛び交う社会、方言が抜けない
コミュニケーションもままならない
しかしながら、良い人も沢山いる
田舎とは違うが、これも一種のlocal
地元に帰りたくなる夜も沢山
まだ東京に居たいという夜も沢山
タイトなジーンズ、ワールドフリー
懐かしい昔使ってたiPhone6

風向きは西から東 日本全国各地にいる友達
会いたいけど会えない 必須らしいワクチン
めんどくさい事になったな最近
私情にすら必要な権利
売れたあいつは金に見せたメッキ
目覚ましで確認する現実
クソな平日は現金にチェンジ
painをかざして、これから誰と戦い
人の夢ってのは、もろく儚い
濃度を増す影、日頃の行い
絞り出した正解と今更再開できるか
答えなんて分からず
今日も自分と世界に問いただす
今は恨みがだいぶ薄くなった
俺が俺の夢を肯定、ようやく言える当然

2023.3.24

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