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一人でクラシックコンサートに行ってきた・その2

2024年4月12日、「すみだクラシックの扉」というコンサートに一人で行ってきた。場所は錦糸町にある、すみだトリフォニーホール。墨田区立のホールで、ここを拠点にしている新日本フィルハーモニー交響楽団と指揮者の佐渡裕さん、ピアノは角野隼斗さんによるチャイコフスキーのプログラムだった。
すみだトリフォニーホールって、角野さんが初めてリサイタルを開いたホールだったはず。そのときは小ホールだったけど、ご自身のYouTubeライブで告知したらライブが終わるまでにチケットが完売になっちゃったってやつ。
今回初めて行ったホールだけど、ここいいなあ!と思った。パイプオルガンのパイプが何本か、上じゃなくて客席に向いてるのが印象的。1階席でも後ろのほうはかなり傾斜していて見やすい。びっくりしたのがバルコニー席。

斜めになってるバルコニー席は椅子の向きが変則的

本当にクラシック演奏会を楽しむため、みたいな感じだった。車椅子スペースも後ろの隅っこではなくて、割と中央に用意されている。すごいな墨田区、と思いましたな。
稼働も相当なようで、今後開催される音楽会のフライヤーもどっさり渡された。展覧会の図録が入っているのかと思うような…(すみません、重かったのでこっそり返却ボックスに入れてきました)。

さて、プログラム。

チャイコフスキー:
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調op.23(通称チャイコンというらしい)
交響曲第5番ホ短調op.64(通称チャイ5というらしい)

本当に何も知らない

ピアノ協奏曲は冒頭が超有名な曲なんだけど、それ以外は全部通して聴いたことが無かった。今回角野さんがピアノということで、チケットを取ってみた。土曜日のほうが抽選の倍率が高くなりそうと思って金曜日にしたんだけど、ツアーの初日なんだね全然意識してなかった。
実は交響曲も初めて聴くのであった(いろいろ素人ですみません)。初めて聴くのが生演奏って贅沢じゃね?などと思いつつ、客席を見回す。平日の昼間とあって、高齢者がとっても多かった。車椅子ピットも埋まっている。ああ、いいよね日本、平和でね、近場に素敵な場所があって誰でも音楽が楽しめて。

指揮者の佐渡裕さんの挨拶では自分を取り巻く環境とか、チャイコフスキーへの思いとか語っていたけど、角野さんの容姿と頭脳についてのお褒めの言葉も。

角野さん、拍手に迎えられてコンチェルトの演奏が始まった。

あー!

これぞクラシックのコンサート!

後ろのほうの席だったけど、手元が見える位置だったのが幸い。双眼鏡を忘れたのがちと痛かったけどいつものように強い打鍵で、うわあリッチな空間が広がったと思った。私、ソロリサイタルなら毎年行ってるけど、オーケストラとの共演って、大宮のラフマニノフと国際フォーラムのガーシュウィンとジョン・ウィリアムズしか聴いたことがなかったので、インパクトが強かった。見せ場がたくさんあった。

あっという間に終わってしまった。
アンコールはアイガットリズム。いつものようにご本人楽しそう、周りの楽団員の方々も和やかな表情で見つめているのが印象的だった。ご本人、一言も発することは無かったけれどソリストってそういうものなんだろうなと思った。

休憩中にピアノが片付けられて後半の交響曲。隣の席の方はいなくなっていた。まあ、遠方からいらしていて帰りの時間とかいろいろ事情はあると思うけど、やっぱりもったいないと思った。お目当ての出番が終わったら帰っちゃうのってちょっと…寂しい。
交響曲はもちろん角野さんがいなくても素晴らしかった。ソロパートも美しかった。弦楽器の弓が一斉に同じ動きをするのってすごいなって思った。皮膚で感じられる生演奏はやっぱり良い。
指揮者の佐渡さんは、角野さんのことを〝シュッとしていて〟と褒めていたけど笑、どうしてどうして佐渡さんご自身も還暦を過ぎていると思わせない体型と動きで感心した。背が高いから華があるよね。指揮台の上で踊ってるみたいだった。客席からは表情が見えないのが残念。

アンコールは「弦楽セレナーデ作品48より第二楽章〝ワルツ〟」とロビーに貼り出されていた。ワルツということはわかったけど、聴いたことがない曲。ガチのファンならわかるんだろうな。

ということでチャイコフスキーの生演奏。前日に所沢ミューズのオルソップ女史のコンサートチケットの抽選に外れちゃって、しょぼんだったのが見事に払拭される経験であった。あんなに大勢の人が演奏してくれて5000円ですよ?素人なのでつっこんだ解説は書けない。ただただ、ありがとうございました、です。すごいな墨田区(二回目)。


通路に埋め込まれていたタイル
♪かぜのなかのす~ばる~

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