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サントリーホール再び(配信の追記あり)

角野隼斗全国ツアー2024“KEYS”@サントリーホール、に娘と行ってきた。土曜日や金曜日は競争率が高そうだと思ったので、木曜日のチケットを取った。先行物販に行こうと思っていたが時間を間違えるというミス。開場後に列に並んで2本目の“KEY”をゲットした。

実はリサイタルツアーで複数のホールに出かけるのは今回が初めて。まあ、演奏会も年に何回か見物できればいいと思っているんだけど、今回は行けそうなところが二か所あったので申し込んでみた。
ということでサントリーホール。前回来たのは2020年の暮れの、観客を半分しか入れなかったリサイタル。今回満席。こういう、人がいっぱいで身動き取れない場所は苦手なのに、よく足を運べるようになったなと自分でも感心する。
前回は2階席の後ろのほうだったけど、今回は1階席が取れた。

娘がステージ前まで行って撮ってくれた

二回目だから流れはわかってる。初めの2曲は正統派。弾くというより鍵盤の上を指が転がっている感じ。モーツァルトでこっくりこっくりしている人がいた。だよねえ、仕事帰りで疲れてるよねえ。
残念だったのは、季節柄なのか咳をしている人が結構いたこと。おばさん、弱音パートでは自分がノイズを出さないよう最大限の緊張をしていた。だから咳をするなとは言わないけど、せめてハンカチや袖で口を覆うとかしてミュートしてくれと思った。

オリジナルのトルコ行進曲が終わってのMC。ピアノの脇に置かれた白い球体、24の調性に合わせて色が変化するという。すごいな今そんなことができるのかと思わせつつ、実は照明スタッフが操作していたらしい。照明さんも大変だな。プログラムには色と調性が書いてあったけど素人の私にはそこまで判別できませんで。
だけど、曲が進むにつれてどんどん壮大になっていく。

同じフレーズなんだけど、様々なアレンジを加えて畳みかける。

これまたあっという間に前半終了。
休憩中は後半用にセットされたチェレスタやアップライトの写真を撮ろうと、ステージ前で大勢の人がスマホを向けていた。…ひょっとして按田さん目当ての人もいたのでは。

後半初めの「大猫のワルツ」、会場ごとにちょっとずつアレンジが違うんだろうなーと思う。

そしてガーシュウィンの「パリのアメリカ人」。オーケストラの曲をピアノ+チェレスタ、アップライト、トイピアノ、鍵盤ハーモニカで。一人オーケストラ。SNSでも腕が何本もあるんじゃないか、指が20本あるんじゃないかと話題になっていた。確かになんで腕が前後に伸びているんだろうと思った。私は何を見せられているのか。

ステージが暗転して始まった「ボレロ」。タタタタ、タタタタ、とリズムを刻むのはアップライトか。このリズムも左手で刻んだり体の向きによって右手に変えたり、音をどんどん重ねていく。あのリズムをずっと刻んでいく、それを25公演?(すみません23公演でした)なんという苦行…。耳がゲシュタルト崩壊しそうだ。
曲が進むにつれてステージの照明がじわじわと明るさを増していく。そして終盤の転調のところで明るさがピークになった。
瘦身から繰り出される、尻が浮くほどの強打鍵がすごい。
最後の不協和音のところは腕を鍵盤に打ちつけているのが見える。
弾き終わったと同時にステージ暗転。万雷の拍手とスタオベが起こった。

そこで熱狂する会場を一気にクールダウンさせる、アンコールの「夜明けのノクターン」。これまた観客に背を向けて弾くスタイル。

落ち着いたところで、「重大発表があります」と。某野球選手みたいにとうとう結婚か?と思ったらソニークラシカルと契約します、と。多分とてもすごいことなのだろう。日本人で4人目とか。元々音楽畑の人じゃないから尚更なのかな。だけど素人のおばさんには、ご本人はもう世界を飛び回って活躍しているのだから今更なんじゃないかと思った。
それより秋にアルバムが出るのがとっても楽しみ。やっぱりデータ配信より円盤だよ!

ラストはいつもの「きらきら星変奏曲」。サントリーホールは真ん中の客席が千鳥配置ではないので、もうホント後ろに気を遣いつつスマホを構えた。
この日も大盛況で終演となった。

ホールから出ると号外が配られていた。

ざら紙ではなく光沢がある、いい用紙を使っている(片面印刷)

千秋楽は配信が決まった。当日は仕事なので観るのが難しいんだけど、リピート配信なら可能かな?手元が見られるのはやっぱり嬉しい。

次はすみだトリフォニーホールに一人で行く予定。その次は娘と武道館。SNSでも話題になったけど、武道館のフライヤーは裏の写真違いパターンがいくつかあったそうです。

左が所沢、右が今回もらったもの


アレンジを加えた唯一無二の推しグッズ(非公認)
推しぬいも作りたい


2024年3月25日追記 ───────────────
千葉県での千秋楽の配信を見たので追記しておく。
生配信日は仕事だったんだけど、早めに片付いたのでいつもより早く退勤して飛んで帰ったらバッハの途中から見ることができた。家族からは、今やってんの?と驚かれた。

配信はやっぱりいいね!手元、表情、どんなに近い席でも見えないところがよくわかる。見上げる構図、真上から回転しながら、魚眼レンズで、と様々な位置からの撮影がすごく良かった。ご本人だけでなく、かてぃんピアノのハンマーの動きを追ったり書かれたサインをアップしたり、おおお〜と思いましたがな。

さらに字幕。生配信で字幕被せるのって大変だよね。最初の曲目の表示は普通だとして、24調のトルコ行進曲では転調するたびに、今何調なのかが表示されていた。これってすごい。表示させるタイミングを誤ったら、と思うと緊張するなあ。

パリのアメリカ人の鍵盤ハーモニカもよく見えて良かったけど、今回の配信の醍醐味はやっぱりボレロ。
ずっと刻むあのリズム。ちゃんとご本人が弾いていた。しかも左手の親指と小指を交互に使っていて、なおかつ他の指も同時に別のフレーズを弾いていた。右手は右手で全然別のアルペジオをきらきらさせてたり。
どうなってんだ?休んでいる指が無いよ。

アンコールのノクターンも、ちゃんと弾いているところが見えて良かった。きらきら星のあとにさらに「夕焼小焼」。出身地の八千代市では夕方にこの曲が流れるからと。これが流れたらうちに帰らなくては、と。
前から思っているんだけど、彼にはぜひこういう文部省唱歌っつーか、日本の歌のアレンジアルバムを出していただきたい。…高齢女性には特に受けると思うよ(個人的に「浜辺の歌」を強く推す)。

2日目のリピート配信は、ちゃんと最初から。もうね、一杯やりながら見られるのがグッド。体揺らしてもいいしね。
SNSでは、終わりの方で通信が切れてしまったという投稿を多く見かけた。幸い我が家では問題なく見られた。うちも、以前ナムショーの現地ライブが途中で切れてしまったというようなグダグダ回線なのだが、今回はなんとかなったようだ。多数の悲痛な報告を目にして、救済措置が取られることを願う。

ということで、今回のツアーも無事完走。ご本人もスタッフの皆様もお疲れ様でした。ありがとうございました。武道館楽しみです。

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