遺影を撮ろうと思った。

昨日、仕事中に突然思い付いた。別にお年寄りとお話をしてたからとか、テレビで葬儀のCMを見たからとかではない。唐突に写真を撮ろうと閃いた。ちゃんとドレスアップをして写真を撮ってやろう、と。

随分と前に未婚女性がウエディングドレスを着てフォトスタジオで撮影して貰うという話を見た。
理由は様々で、若いうちにドレスを着たいから、結婚の予定がないけど写真が撮りたい、綺麗な恰好がしたいなど。
あれ良くないか?と、手を動かしながら考えた。
メイクをしてくれて衣装もレンタル。プロのカメラマンが撮ってくれる写真。最高じゃないか。

私は健康体で、持病もない。BMIが24をうろうろしている点が少し不安要素だが、毎年二回の献血は問題なく行えている。心も元気なので今のところ死ぬ予定はない。

ただツイッターで回ってきた

「オタクは自分の顔の写真を撮らないから遺影がない」

というツイートを思い出しただけ。
写真がない人が若くして死ぬと運転免許所の写真が遺影になるらしい。嫌過ぎる。免許証かマイナンバーカードの顔写真の二択なら、そこに一人結婚写真を選択肢に入れたっていいだろう。死なないけど。

ここまでの思考は多分5分くらいの出来事。
一仕事終えて休憩中にスマホで調べたのは

『ブライダル写真 独身』

すぐさま下には『ソロウエディング』の文字が出て来た。単語が出来てるくらいなら、もう一大ジャンルだよ、ソロウエディング。サジェストは混沌としてるけど、これだけでもう楽しくなってきた。
やばいのか、むなしいのか。推しとか友達とかも出てきたけどなに?
検索したらあったよ。推しと結婚した人の記事。これはソロウエディング大先輩だ、先人が道を作ってくれている。
あと女子会でウエディングドレス着るのもあるらしい。凄い世界だ。

仕事の合間に記事を読み漁り、気付けば定時。家に帰ってからも検索しまくる。
ブライダルエステってどうなんだろ?と最寄りから遠い駅のブライダルエステを検索した。地元は知り合いに会ったら気まずいじゃない。いっぱいあるのね、ブライダルエステ。
挙式の日取りを聞かれるらしいと知り、推しの誕生日を調べた。今年の11月7日は見事に日曜日。赤口だったよ、仏滅じゃないからギリセーフでは?午前中なら吉。火と刃物はNGだそうな。
じゃあ11月7日に式を挙げるつもりでエステを探そう!と検索して三時間。
なんで?と冷静になる頃にはベッドの中にいた。眠かった。
ブライダルエステはこれから幸せな結婚をする花嫁さんのためのものであって、遺影を撮ろう!なんて言ってる人間のものではない。
あと推しの誕生日にソロウエディング写真撮るって何?謎過ぎるし先過ぎる。

夜中の0時半、普通のエステのお試しを予約した。エステは受けてみたいから。


そして朝起きて気が付いた。肝心のフォトスタジオの予約をしていない。
この辺りから、本当に写真撮るの?独身なのに?ウエディングドレス着るの?この顔で?と冷静になって来たので目が覚める前に当日のオンライン説明を申し込んだ。正気に戻ってはいけない。

結論から言うと、和装を二着着ることにした。
撮る気満々だったけど一番安いウエディングドレスのシンプルプランにしようかな~なんて思ってたけど、二の腕と背中出す勇気ない。ドレスは私の顔に向いてない。
打掛可愛い。一目惚れした。
スタッフさんとお話してたら、一着借りたらもう一着無料キャンペーン中だって言うから。アルバムの写真の補正してくれるって話だから。少しでも綺麗な遺影にしたいじゃん?

見積送って貰ってご検討くださいと言われ、その間に用事があったので実家に行って。
最近お疲れ気味の母に、実はこんなことを考えててさ~と昨日からの話をした。
遺影を撮りたいとは流石に言わず、結婚する気がないから一人で花嫁姿を撮るんだ~と。これも本心。

そしたら、母親。物凄く元気になりました。

「一人で撮れるの?衣装全部レンタル?髪も結ってくれるの?アルバム作るの?衣装はどれ?」
とまあ、元気。質問攻め。結婚はしなくたっていいと言ってくれてたけど、娘の花嫁姿は見たかったのか…と反省した。
妹もやらないかな、とまで言い出したけど妹はソロじゃないから普通のフォトスタジオで良いんだよと伝えた。
あまりに嬉しそうだったので、今度の休みの日に色打掛と髪飾りを選んで貰うことにした。

そして母の一言。

「あら、じゃあ痩せなきゃね!」

ということで本題。痩せます。
その意思表示のnoteです。前回のダイエットは身動きできなくて、やる気失せて放置してしまったけど目標を作ってしまえばこっちのもん。

花嫁でも何でもないけど、ブライダルダイエットします。

謎の勢い4割、親孝行4割、遺影は保留として思い出2割。
丸顔を少しでもシュッとさせるため努力しないと。

撮影日は11月7日ではないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?