ダブドリ_vol

『ダブドリ Vol.5』 インタビュー02 ザック・バランスキー(アルバルク東京)

発売中の『ダブドリ Vol.5』(ダブドリ:旧旺史社)より、今回はザック・バランスキー選手のインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。

ディフェンディングチャンピオン、アルバルク東京を支えるハードワーカー、ザック・バランスキー選手に、アルバルクファンのアニメ監督新海岳人氏が迫ります。その辺で拾われたと言われた高校時代からBリーグ王者に上り詰めたザック選手の軌跡は必読です。


20点、30点取るじゃなくて、5点、6点でもいいから、それを大事な6点にしたいなと思います。

新海 僕、新海岳人といいまして、普段はショートアニメの監督をやっています。バスケをやるのも見るのも大好きなんですが、その中でもアルバルクさんのすごいファンということで、今回志願してインタビューさせていただきます。
ザック よろしくお願いします。
新海 まずはあれですね。10月24日サンロッカーズ渋谷戦の決勝シュート。
ザック はい。
新海 今季のB. LEAGUEでも一番くらいの名シーンだったと思うんですけども、その時のプレーを振り返って解説していただけますか。
ザック はい。残り6.5秒、3点ビハインドでミルコ(・ピエリツァ)がスリーポイントを打つ時にファウルをもらったんです。一応プランとしてはミルコが全部決めて延長にいけばというものでした。1本目、2本目決めた後、3本目をたまたま落としたんですが、僕らもそれには準備をしてて。もし落としたときは、僕とアレックス(・カーク)でクロスしてリバウンドに行こうっていう話をしてました。
新海 クロスするのも作戦だったんですね。
ザック はい。だから僕の逆側にボールが落ちたんですけど、取れて。時間的にも自分で行くしかないなと思い、一回スリーポイントまで出て様子見て、ボールフェイクしたら(ファイ・)サンバが動いて目の前が空いて。ワンドリでいつも練習してるフローターっていう、本当に自然な流れでいけました。
新海 ゲームウィナーを決めるシーンっていうのは、今までのバスケ人生の中でも結構多かった方ですか?
ザック そんなに多くはないですけど、去年のアーリーカップの川崎戦でも、一応0度のバックステップのジャンパー決めてそれで勝ってますし。
新海 うんうん。
ザック 大学の時もちょくちょくあったりしたんですけど、まあ、あの時間帯で僕が持たされることはあんまりなくて。大貴とかが攻めてディフェンスが寄ったところで、僕にパス来てみたいな。自分から行くっていうより、人に作ってもらったシュートを打つことが多いです。
新海 なるほど。
ザック それにはいつでも準備はしてますし、まあ別に重く考えず、打てば入るっていうスタンスでいつもやってますね。
新海 今、チームではシックスマンだと思うんですけども、シックスマンという役割についてどういう考え方とか、モチベーションでプレーされてますか?
ザック うちのチームは、本当に誰が出ても戦力が落ちないと思いますし、ベンチから厄介な選手が出てきたら相手が一番嫌がるなと。大体1クォーター残り5分とかで入るんですけど、相手がちょっと疲れ始めた時にもう一回フレッシュななやつが出てくると、一番嫌だろうなと思ってます。シックスマンで出ても、スタメンと変わらない実力をキープしたいと思ってやってます。
新海 スタートで出る時と考え方の違いとかってあったりするんですか。
ザック いや僕は本当にそこにこだわりがなくて。スタートっていうより、そのゲームの最後に出てるかどうかが自分の中では大切で。
新海 うんうん。
ザック 試合の出だしも大事ですけど、やっぱ結局は最後で決まるんで。そこに出てるほうが重要なのかなって自分の中では思います。
新海 マヌ・ジノビリ選手が好きというのを、他のインタビューで見かけたんですけど。それは、そのシックスマンという役割を重ねてだったりするんでしょうか?
ザック ジノビリはオールスターに入るような選手なのに本当にフォア・ザ・チームでやってるし、自分のエゴを捨ててやってるとこがいいなと思って。自分もそういう感じでやっていきたいなと思っています。
新海 ザックさんには、スリーポイントだったりとか、ハッスルプレーだったりとか、インサイドも守れるディフェンスだったりとか、チームでもいろんな役割があると思うんですけども、自分の強みっていうのはどこだとお考えですか。
ザック 強みはそうっすね。安定感っていうか。
新海 ああ。
ザック 多分ルカ(・パビチェビッチHC)的にもザックを出したらこれはやってくれるってのは理解してくれてますし、そのやってほしいことも自分なりに理解してやってるつもりですし。今チームに何が必要なのかを考えてやってるのが自分の強みなのかな。
新海 プレーを見てても感じます。
ザック うちの大貴、譲次、雄大とか、アレックスもそうですけど、オールスターがいっぱいいる中で、全員がそれでも勝てないなと思うんで。自分の役割はロールプレーヤー。人の嫌がる仕事だったり、ディフェンス、リバウンド、本当に細かいところ。まあ得点にそんなこだわりはないっすけど、本当ここ1本欲しいっていうときに決めれる選手になるっていうのが昨シーズンの目標でした。
新海 うんうん。
ザック だからこの間のSR渋谷戦もそうですし、20点、30点取るじゃなくて、5点、6点でもいいから、それを大事な6点にしたいなと思います。


結構あっちこっち痛いですけど、ケガで試合を休んだこと、人生で一回もないです。

新海 去年からスリーポイントのアテンプトがかなり増加したと思うんですけど、それは今仰った、チームに求められてるということで増えてるんですね。
ザック まあ、スリーは得意な方ですし、先シーズンから3番(スモールフォワード)にポジションチェンジして。
新海 そうですよね。
ザック 大貴とか雄大にディフェンスが寄るんで、結構フリーになることが多くて。スリーポイントを得意になれば、そこで生きる道ができるなと思って練習しました。でも、去年最初の方は、速攻とか、ショットクロックの早い段階で打つとルカに怒られてたんですけど。
新海 うんうん。
ザック 決められるようになったら、なんも文句言わないんで。
新海 アルバルクは速攻でも打っていいんですね。
ザック なんか、僕だけは(笑)。
新海 えー! すごい!
ザック 別に誰でも打ってもいいんですけど、あんまみんな打たなくて。多分、僕だけ速攻でも迷わず打ちます。
石川 ダニー・グリーン的なポジション。
ザック ルカの信頼を得た上で、自分が打てると思ったタイミングがあったら打っていいっていう。もう、そこに関してはグリーンライト。自分のシュート感覚を大事にして、打てると思ったら打ってますね。
新海 昨シーズンのスリーポイントの確率が39・4パーセントで、確率としてはアルバルクの中でもトップクラス。結果が自信につながってんのかなと思って見てました。
ザック はい。
新海 あと僕ザックさん見ててやっぱすごいなっていうのは、ハッスルプレーヤーなのに、大きいケガみたいなのがないところ。体が異常に丈夫なんじゃないかなっていう気がするんですけど。
ザック 結構あっちこっち痛いですけど(笑)。
新海 痛いんですね(笑)。
ザック まあでもケガで試合休んだこと、人生で一回もないです。
新海 え!
ザック 試合の週の月火水(練習を)休んでも、木金で調整して試合出たりとか。膝と腰悪かったりするんですけど、うまいこと調整して。
新海 一回も休んだことないんですか。
ザック そうですね、ケガではないですね。
新海 それめちゃめちゃすごい。
ザック これ言ったら今度なりそうやな(笑)。
大柴 フラグが(笑)。
新海 雑誌出るまで何ヶ月かかかりますからね。
ザック 今度ケガで休んだら、『ダブドリ』のせいっていうことで(笑)。
新海 (笑)。いや本当にすごいことだと思います。全力プレーの中で体がコントロールできてるっていうのは。
ザック 素晴らしいケアをしてくれるスタッフがいるおかげで、体の状態も常に保てるし。痛かったらすぐ治療してもらったり。恵まれた環境でやってるからこそなのかなと思います。
新海 自分なりのケアとかあったりするんですか?
ザック そんな別に食べるもんに気つかったりするわけじゃないですけど。まあ寝る前のストレッチとか、お風呂入ったりとか。そういう本当ちっちゃなことぐらいですかね。
新海 親からもらった丈夫な体ってことですね!
ザック 親のDNAが良かったです(笑)。

画像1

★ ★ ★ ★ ★

このあとも、アルバルク東京のチームメイトや学生時代のお話などが続きます。気になった方はぜひ本書をチェックしてみてください!

次回は、石原愛子選手&瀨﨑理奈選手&桂葵選手のインタビュー冒頭部分をご紹介いたします。

画像2


この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?