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『ダブドリ Vol.16』インタビュー03 小島元基(サンロッカーズ渋谷)

2023年2月22日刊行の『ダブドリ Vol.16』(株式会社ダブドリ)より、小島元基選手のインタビュー冒頭を無料公開します。

 サンロッカーズ渋谷、小島元基。B.LEAGUE連覇の経験を持つ彼は今シーズン、活躍の場に新天地を選んだ。そこにはどんな理由があったのか。そしてバスケ一家に生まれた彼が歩んできたバスケットボール人生とは。「元基さんは憧れの存在」と語り、その背中を追いかけてきた同じ茨城出身で高校の後輩でもある堀部寿貴(サンロッカーズ渋谷スカウティングコーチ兼U12HC)が当時を振り返りながら迫っていく。(取材:12月9日)

Interview by 堀部寿貴/photo by 本永創太

生まれたときから目の前にボールがあって、自然と始めた。

堀部 簡単に自己紹介をお願いします。
小島 サンロッカーズ渋谷10番の小島元基です。好きな色は黄色も好きなんですけど、緑です。181cm、84kg。出身は茨城県つくば市です。
堀部 ありがとうございます。僕は同じ茨城県出身で元基さんは高校の先輩というご縁もあり、今回のインタビューを担当させていただきます。
小島 硬いなー、真面目だなー。
一同 ハハハハハ。
堀部 まずは元基さんがバスケットを始めたきっかけを教えてもらえますか?
小島 バスケットを始めたきっかけは両親が大学までバスケットをやっていて、姉貴も兄貴もバスケをやっていました。生まれたときから目の前にボールがあって、自然と始めたって感じだね。
堀部 僕は地元も一緒なので知っていましたけど、バスケ一家ですもんね。
小島 そうだね。兄貴は全中にも出ていたし、それこそ茨城でナンバーワンだった。めっちゃうまかったよ。
堀部 豊里中学校ですよね?
小島 そう、あの時の豊中はめちゃめちゃ強くて好きだったな。豊中には行かなかったけど、憧れてはいた。
宮本 小島選手は大和中ですもんね?
小島 そうです。
宮本 実践学園中とやった関東大会は見ていましたよ。
小島 え、まじですか?
堀部 元基さんもめっちゃ有名です。それこそ月刊バスケットボールにも載ってましたよね。
小島 中学校の時(笑)?
堀部 はい。身長は小さかったけど、めちゃめちゃうまかったですもん。
小島 小さかったね。165センチくらいかな。でも全国にはもっとすごい人がいた。それこそ勇樹(富樫勇樹/千葉ジェッツふなばし)とか、田渡(田渡凌/熊本ヴォルターズ)とかさ。高校生みたいな感じで、彼らを見て、「すげぇ」って思っていたね。
堀部 そうか。そこが同世代なんですもんね。
宮本 その年の全中決勝でその2人が対戦したけど、やばかったですよね。

残るならキャプテンをやってチームを引っ張れ。

堀部 高校はつくば秀英高校に行きます。秀英を選んだ理由はなんですか?
小島 全中に出ていたら、県外の強豪に行ってみたいと思っていた。でも行けなかったから、県内かなって。俺、父親が秀英の先生だったから、中学の県選抜とかで土浦日大に行った時も、土浦日大の監督さんがふざけて「日大に来るんだろ(笑)?」みたいに言ってたけど、それはないってわかってて言ってくるわけさ。だから、必然と言えば必然だよね。2つ上の兄貴も秀英にいたし。
堀部 秀英は元基さんのお兄さんの代でウインターカップに初出場でしたけど、どこまで行ったんでしたっけ?
小島 ベスト16で北陸高校にぼこぼこにされてたね。ぼこぼこにされて、これが全国だよねって感じだった(笑)。
堀部 翌年のウインターカップも秀英は茨城の代表として出場します。その時はスターティングメンバーでした。僕も見ていましたよ。
小島 その時は貢献できるくらいのレベルにはなっていたと思う。
堀部 いやいや、めちゃめちゃ貢献してましたよ(笑)。
小島 当時は自分にも自信がついてきて、手応えはありながらも、結局トップではないなって感じだった。
堀部 その時は1回戦が長崎の西海学園で、2回戦が山形の羽黒高校ですよね。羽黒との試合は激戦でした。
小島 そうだったね。羽黒は強かった。
堀部 そして、また……?
小島 ベスト16で北陸だね。
堀部 僕の記憶ですけど、元基さんがめちゃくちゃスリーを決めてました。
小島 そうだっけ(笑)? でも、悪いイメージはなかったな。いい感じでプレーができていた記憶はある。
堀部 ですよね。そして、3年生です。
小島 3年生はインターハイもウインターカップも出られなかった。
堀部 僕、ウインターカップ県大会決勝がすごく印象に残っていて、ずっとビハインドゲームだったのを、元基さんが奮起して追い上げたんですよね。
小島 あれはもうやるしかなかった。ラスト10秒切って1点か2点差だったよね?
堀部 そうです。最後のシュートも元基さんだったんですよ。
小島 それを外して負けたんだよね。
堀部 前半で20点差近くあったのを追い上げた、当時の気持ちを聞いてみたかったんです。僕は1年生でベンチにいたけど、全員が泣いてました(笑)。
小島 やば(笑)。そうだっけ?
堀部 元基さんは集中していて、全然気づいてなかったかもしれないですけど、全員号泣でした(笑)。
小島 (笑)。あの試合を頑張ったっていうよりも、ラストのウインターカップに向けて、チームがスタートした時からめちゃめちゃ頑張ったんだよね。それこそウインターカップまで部活に残る、残らないっていう話になった時に父親から「お前は残っても意味ねぇ」って言われたんだよ。自分で言うのもあれだけど、当時の俺はうまいだけだった。後輩を引っ張るとか、同級生と一緒に戦うとかは全く考えていなくて、父親もそう見えていたんだと思う。だから「残るならキャプテンをやってチームを引っ張れ」って。
堀部 あれ、そうだ。ウインターカップ前までは篠田(隆史)さんがキャプテンでしたよね?
小島 そうそう。そこからキャプテンになって、めっちゃ声も出したし、本当に毎日頑張った。だからあの試合も頑張れたし、ああいうゲームになったと思う。
堀部 そういう背景があったんですね。
小島 俺、試合前に泣いてたもん。達成感じゃないけど、それだけ頑張ったって自分でも思えた。漫画のアイシールド21を読んだらわかるけど、小早川瀬那もクリスマスボウル前に泣いてるんだよ。「あ、これ俺やん」って思った(笑)。
一同 (爆笑)。
小島 結果的には負けちゃったけど、あの試合がその後の俺を作る試合にもなったと思う。

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