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小選挙区制はやはり変えた方がいい〜『自民党 失敗の本質』を読んで〜

先日『自民党 失敗の本質』を読了しました。
読み始める前は左翼の安倍政権批判本かと思っていましたが、野党側の批判もされている政治批判本でありました。

この本で複数の人が述べていますが、安倍政権や菅政権の失敗は、内閣人事局により官僚の人事権を乱用したことにより官僚は誰も官邸にものが言えなくなったことに一因があります。実際に菅さんがゴリ押ししていた『ふるさと納税制度』の問題点を指摘した官僚は飛ばされてしまいました。だから、イエスマンばかりになってしまい専門的な知識を持つ官僚の力が発揮されないのです。

そして、政治家も小選挙区制の弊害により執行部には逆らえなくなっていました。

中選挙区制は同じ選挙区で自民党同士が争うことになります。党の全面的な支援に頼れない候補者は『派閥』に協力を求めます。この派閥は候補者に経済的な資源をもたらし、場合によっては選挙区の組織・団体の紹介をも行っていました。派閥のトップは総裁候補になりますが、求心力を高めるためにそういうことをする課程で政治腐敗が起こっていくのです。

こういうデメリットがある反面、派閥同士が牽制し合うので、官邸が暴走するということがないのです。そして、保守の派閥から総裁が出た後はリベラルの派閥から総裁を出すなど、自民党内で政権交代が起こるのでバランスが取れていたわけです。

中選挙区制のデメリットを解消して金権政治を無くす為に小選挙区制が導入されました。しかし、今度は自民党から公認をもらえるかどうかが候補者にとっての死活問題になりました。(※郵政法案の時に反対票を投じて自民党から公認を外された議員がその後どのような道を辿ったかを見れば分かると思います。)

その結果、党の執行部が絶大権力を持ってしまったのです。執行部に逆らったら郵政選挙みたいなことになりかねないですから。だから、誰も安倍総理に反対意見を言うものがいないのです。

中選挙区制と小選挙区制それぞれのデメリットを考えた場合・・

私はどう考えても小選挙区制のデメリットの方が大きいように思います。小選挙区制を導入してから政治は明らかに劣化しています。

私は中選挙区制に戻すべきだと思いますね。
(※だだし中選挙区制では改憲勢力が衆議院で3分の2を越えるのは不可能になります。だから、改憲後に戻すのが順序としては良いかと思います。)

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